アンケート調査だけでは把握しづらかった、生活者を刺激する“新しい”興味関心因子を発見
株式会社アサツーディ・ケイ(本社:東京 社長:清水與二 資本金:375億円 以下ADK)と大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下DNP)は、両社が2010年9月に立ち上げた、ニューロマーケティングにより新たな広告・販促アプローチを共同開発する『脳活プロジェクト』を推進しています。
このたび、活動の一環として「金融」「健康・美容」の商品やサービスのコンセプトについて、生活者の興味関心度を調査しました。
調査の目的と内容
ニューロマーケティングは、脳科学の立場から生活者の脳の反応を計測することで潜在的な心理や嗜好、行動の仕組みを解明し、商品開発や広告などのマーケティングに活用しようとする試みです。
『脳活プロジェクト』は、広告・販促ビジネスにおいて、ニューロマーケティングを活用した新たなマーケティングアプローチの構築を目指しています。
例えば、TVCMや平面広告、カタログやパンフレット、デジタルコンテンツなどの制作物を見た時の生活者の興味関心度を、脳波を測定するなどして調査・分析し、効果的なコミュニケーション手法の開発を支援します。
今回は、商品やサービスの広告に、現在実際に使われているキーワード、および今後想定される新しいキーワードについて生活者の評価を把握することを目的として、以下の調査を行いました。
- 調査対象者: 首都圏在住の20~60代の男女、合計90名
- 調査方法: 集合調査(脳波測定、記述式アンケート)
- 調査対象カテゴリー : 「保険商品」、「基礎化粧品」、「投資商品」、「健康食品・サプリメント」の4つ
- 調査期間: 2010年10月中旬~下旬
調査結果の概要
今回の調査では、ヘアバンドタイプの脳波計を装着した生活者に、カテゴリー別のキーワードと、「ブランド」や「シェアNo1」など全カテゴリーに共通するキーワードをそれぞれ文章化(提示コピー化)して提示しました。
これらの提示コピーに対して、6段階評価による記述式アンケートに回答してもらうとともに、脳波が示す興味関心度も合わせて調査しました。
調査結果の概要は以下の通りです。
- 保険商品では、「不安を解消するために入る、“気休め”のような商品」という提示コピーに対し、脳波測定では高い興味関心度が示されましたが、記述式アンケートでは低い結果となりました。
また、アンケートと脳波測定の両方で、「カスタマイズ」や「無駄を省く」などを表現した提示コピーに興味関心度が高いことがわかりました。 - 基礎化粧品では、「使うことで、優越感やステイタス感を感じられる商品」という提示コピーに対し、脳波測定では高い興味関心度が示されましたが、記述式アンケートでは低い結果となりました。また、アンケートと脳波測定の両方で、「はり」や「手軽さ」などを表現した提示コピーに興味関心度が高いことがわかりました。
- 投資商品では、「投資することで、優越感やステイタス感を感じられる商品」や「人生によい刺激を与えてくれる商品」という提示コピーに対し、脳波測定では高い興味関心度が示されましたが、記述式アンケートでは低い結果となりました。
一方、アンケートと脳波測定で共通して高い興味関心度を示すものは特にありませんでした。 - 健康食品・サプリメントでは、興味関心度が記述式アンケートでは低く、脳波測定では高い提示コピーはありませんでした。一方、アンケートと脳波測定の両方で、「体質改善」や「パワーアップ」などを表現した提示コピーに興味関心度が高いことがわかりました。
- 今回の脳波測定では、全カテゴリーに共通して、「手軽さ」を表現した提示コピーに興味関心度が高いことがわかりました。
また、「シェアNo1」を表現した提示コピーは、投資商品、保険商品、健康食品・サプリメントのカテゴリーで興味関心度が高かったのに対して、基礎化粧品では低いという結果が得られました。
今後について
今回の調査結果に基づき、より効果的なコミュニケーションづくりに役立つメソッド開発を進めてまいります。また、今後さまざまな業界から参加企業を募り、新規テーマの設定やメソッドの共同開発などプロジェクトの拡大を図っていく予定です。
また、今回の調査結果を皆様にご紹介するセミナーを3月15日に開催します。
詳しくは、http://www.dnp.co.jp/seminar/e-mk/ をご覧下さい。