スマートフォンユーザーの利用実態調査結果

MM総研は5月19日、インターネットアンケートサービスを運営する「クロス・マーケティング※1」のモニターを活用して、全国のスマートフォンユーザー1,400名及び携帯電話(フィーチャーフォン)ユーザー17,156名に対するWebアンケート調査を実施。スマートフォンと携帯電話(フィーチャーフォン)のサービス利用実態及び、スマートフォンの機能やネットワークサービスの不満・改善点を調査し結果をまとめた。

※1 株式会社クロス・マーケティングは、国内140万人超の大規模モニターを軸に、生活者の「生」の声を、主にインターネットを活用して収集するマーケティングリサーチ会社です。生活者の嗜好の多様化や、商品サイクルの短期化に対応するため、ネットリサーチの優位性である「スピード」「コスト」に加え、「品質」を最大限に重視したリサーチサービスを展開しています。調査企画から設計、実査、集計・分析レポートまで、マーケティングリサーチに関するあらゆるサービスをトータルにサポートしています。

調査結果

スマホユーザーのWebサイト閲覧時間、携帯電話ユーザーの約3倍

アンケートでは、まず現在スマートフォンを保有するユーザー、携帯電話を保有するユーザーに対してネットサービス等の利用状況を質問した。その結果、スマートフォンユーザーの平均的なWebサイト閲覧時間は1日あたり2時間49分で携帯電話ユーザーの58分に比べて約3倍になっていることが明らかになった。

スマートフォン、携帯電話ともに最も閲覧時間が長いのは「ブログ・SNS・つぶやき系サイト」で、スマートフォンユーザーは1日あたり平均23分、携帯電話ユーザーは11分/日となった(図1-b)。スマートフォンユーザーで2番目に閲覧時間が長かったWebサイトは「ポータル(検索)サイト」で18分/日、以下「動画サイト」17分/日、「ニュース・天気予報」16分/日と続いた。携帯電話ユーザーでは2番目に長かったのは「趣味・エンターテインメント情報」(6分/日)、「ポータル(検索)サイト」「ニュース・天気予報」「ゲーム(SNS以外)サイト」がそれぞれ5分/日となった。

スマートフォンユーザーと携帯電話ユーザーの比較では、全ジャンルのWebサイトでスマートフォンの方が長い結果となった。特にその差が大きかったのが「動画サイト」で携帯電話の4分/日に対しスマートフォンでは17分/日と4倍以上となった。

スマホユーザーの不満

スマートフォンを利用していて感じる不満について「端末・ネットワーク」「Webサイト閲覧」「アプリ」それぞれについて聞いた。

端末・ネットワーク

「端末・ネットワーク」で最も比率が高かったのが「バッテリー容量を気にしてネット閲覧やアプリを使用しなければならない」で47.4%。半数近い回答者が不満として挙げており、他に大きく差をつけてトップとなった。以下、「従来の携帯電話の機能が使えない(ワンセグ・おサイフケータイなど)」(29.1%)、「パソコン並の処理能力がない」(23.7%)などとなった(図3)。「バッテリー容量」に対する不満が高く、早急な改善が望まれる。同様におサイフケータイやワンセグなど、従来の携帯電話機能が使えないことに対する不満も高いが、国内メーカーのAndroid端末にはそれらの機能を搭載しているものも多くなっており、この問題は徐々に改善に向かうとみられる。

Webサイト閲覧

「Webサイト閲覧」では「表示までに時間がかかることがある」が33.1%で最多、僅差で「画面からはみ出し、頻繁にスクロールしなければならないことがある」(31.7%)、「クリックしても反応が遅いことがある」(31.0%)、「文字が小さい、画像や動画が小さい/見にくいことがある」(30.4%)などの項目が30%以上の比率で高かった。スマートフォンは携帯電話に比べパソコンに近い感覚でWebサイトを利用できると期待する一方、通信品質およびスマートフォン向けのWebサイトデザイン等での利便性改善が今後の課題と言える。

アプリ

「アプリ」では「目的のアプリが見つけづらい」が33.5%と全体の1/3以上の回答者が同項目を指摘。以下「アプリの完成度が低い」(23.5%)、「アプリの価格が高い」(23.5%)、「ウイルスに感染してしまうのではないか」(20.1%)となった。また「目的のアプリが見つけづらい」ことを指摘する声も多かった。

豊富なエンタメ系ツールや便利ツールなどから、自分の好みにあったツールを自由に端末にインストールし、カスタマイズできるアプリの存在は、スマートフォンの人気要因。iPhoneであれば「App store」、Androidでは「Android Market」のほかにも携帯電話事業者が提供するマーケットなど複数のアプリ販売サイト(マーケット)が存在するため、ユーザーは複数のサイトから目的のアプリを探し出す必要がある。更にアプリが期待通りに動かない、ウイルス感染やアプリ購入時の決済方法への不安も挙がっており、アプリの探し易さとあわせて携帯電話事業者、サービスプロバイダーによる包括的なユーザービリティの向上に向けた改善が期待される。

調査概要

1.調査対象:全国の一般消費者
2.回答件数:18,556件
※男女比 男性(49.9%)/女性(50.1%)
※年代構成 18~29歳(20.1%)/30~39才以下(20.1%)/40~49才(19.7%)/50~59才(19.9%)/60才以上(20.1%)

3.調査方法 :Webアンケート
4. 調査期間 :2011年2月10日~2011年2月14日

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