「グリーンブランド」のグローバルランキングTOP50 を発表
世界最大のブランドコンサルティング会社であるインターブランドは、優れた“グリーンブランド”のグローバルランキング、“Best Global Green Brands 2011” を発表しました。
“Best Global Green Brands 2011”は、「環境パーセプション(=生活者にどう認識されているか)」と「環境パフォーマンス(=企業が実施する活動)」の双方が両立していることが「優れた“グリーンブランド”の条件」と定義し、両者のインプットデータに基づきそのバランスを評価した「グリーンブランドスコア」を算出、その中で優れたグローバル・グリーンブランドのTOP50 をランキングしたものです。
環境経営戦略および社会的評価の高さで Toyota が第 1 位
Toyota(1 位)は1997 年のPrius 発売以来、各国の生活者における「環境パーセプション」評価が高いだけでなく、「環境パフォーマンス」の評価も高く、総合で第 1 位を獲得しました。第 2 位の3M も、1975 年には早くも環境方針を導入し、その後も継続的に環境活動に取り組んでおり、Siemens(3位)は、近年、再生可能エネルギー事業に注力しているなど、上位 3 ブランドは「環境パーセプション」と「環境パフォーマンス」の双方の評価が高いものになっています。
トップ 50 に日本から 6 ブランドがランクイン、世界に‘存在感’を示す
TOP 10 にランクインしたブランドのうち5 つは、アメリカのブランドとなりました。アメリカに次ぎ、日本からはToyota(1 位)、Honda(7 位)、Panasonic(10 位)の3 つのブランドがランクインし、Siemens(3 位)、Volkswagen(6 位)の2 ブランドがランクインしたドイツを上回る結果となりました。さらに、グローバルのTOP 50 には、Sony(18 位)、Canon(28 位)、Nintendo(43 位)が名を連ね、「環境」の分野において、日本ブランドが世界をリードしていることが示されています。
また、グローバルのTOP50 にランクインしたブランドの国別の内訳は、アメリカ:24、ドイツ:7、日本:6、フランス:3、韓国:2、イギリス:2、オランダ:2、(その他:4)という結果となり、Hyundai(11 位)とSamsung(25 位)の韓国の2 ブランドを合わせ、アジアからは計8 ブランドがランクインするなど、グローバルでの「環境」分野におけるアジアブランドの“グリーンブランド”としての存在感の高さを示しています。
生活者の評判と企業の環境経営との「ギャップ」の是正が課題
本評価において、生活者における評判(ブランドに蓄積されたグリーンイメージ)である「環境パーセプション」と、企業における積極的な環境経営(企業が実施する活動)の評価である「環境パフォーマンス」との間には大きなギャップがあることが明らかになりました。両者のギャップが10 ポイント以上あるものは、発表した50 ブランドのうち22 ブランドとなっています。
例えば、McDonald’s (45 位)は、エコパッケージやリサイクルなどで生活者の「環境パーセプション」評価は高いのですが、「環境パフォーマンス」評価は、この水準を28 ポイントも下回っています。逆に、L’Oréal (15 位)は、生活者の「環境パーセプション」評価よりも「環境パフォーマンス」評価の方が23 ポイントも高くなっています。環境経営の実態以上に生活者の“グリーンイメージ”が先行しているケース、逆に先進的な環境対応を軸とした事業活動に取り組んでいながら生活者の認知があまり高くないケース、それぞれに活動の実態とそのイメージ形成の‘バランス’に問題があると言うことができます。
“グリーンブランド”としての価値を向上させるには、生活者の抱く“グリーンイメージ”と自社の環境への取り組みの実態を正しく把握した上で、環境活動に関する情報発信をブランド戦略の中に明確に位置づけ、マネジメントしていくことが必要です。
インターブランドについて
インターブランドは、1974年に設立された世界最大のブランドコンサルティング会社です。世界26カ国・約40のオフィスを通じ、世界的に展開している企業をはじめ、さまざまな組織・団体に対し、ブランディングに関する多様なサービスを提供しています。
‘Creating and managing brand value’ のミッションのもと、戦略的な視点とクリエイティブの視点の両面から「ブランドを創り、その価値を高め、維持し、評価する」という一連のサービスを提供し、クライアントのもっとも価値ある資産であるブランドの価値向上をサポートしています。
その事業内容はブランド価値向上に向けた戦略の立案、ネーミングやデザイン開発などのクリエーション、さらにはブランド価値の社内外への浸透・定着の支援に至るブランドエンゲージメントまで多岐にわたっています。
インターブランドは1984年より世界に先駆けて、企業の視点(財務)と顧客の視点(マーケティング)の両面からブランドの価値を金額に換算する手法* を開発し、これまでに5,000以上のブランドの評価を行ってきました。さらに「ブランド価値」の重要性を認識していただくことを目的として、1999年より毎年、全世界のブランドを対象とした“Best Global Brands” を発表しています。
インターブランドについての詳しい情報についてはhttp://interbrand.com をご覧ください。