ネットに自社ネタ書かれたい人 ラーメンvsおにぎりvs寿司を参考に

ネットで話題になるネタには、重要な要素が三つあります。「書きやすい」「身近」「選択肢がある」です。皆さんが何らかの企画をするにあたり、「ネットでこれについて書いてもらいたい」と考える場合は、これらの要素を踏まえておくと良いでしょう。

具体的に何? という話になるので、本日紹介したいのがアメーバブログの「クチコミつながり」というサービスです。運営側がブロガーに「このネタでブログ書いてみませんか?」と提案をし、参加をすることで「番付」が上がり、プレゼントがもらえる、というサービスです。

たとえば「人前で話すの得意? 苦手?」「絵文字はふんだんに使う?なるべくシンプル?」「9月からの目標」など、軽いテーマから「『原発解散』はアリ?ナシ?」といった硬派なテーマまで様々です。このサイトのトップページを見ると一覧でどのネタが多数書かれているか、どのネタがあまり書かれないかが一目瞭然。アメブロの会員が好む話題を一気に知ることができます。

通常1500~5000件ほどのブログエントリーが投稿されますが、「大台」ともいえる「10000超え」を達成した最近ものは以下の3つです。

とんこつ、しょうゆ、みそ、塩、好きなラーメンは?-クチコミつながり
10395件

好きなおにぎりの具は?-クチコミつながり
13674件

1番好きな寿司ネタ-クチコミつながり
10360件

ラーメン、おにぎり、お寿司、いずれも身近な食べ物です。しかも、好みに明確な差が出ますし、その美味しさを熱心に語りたくなりますね。たとえば、イクラが好きだと答えた人は「ウチはね、いくらとサーモンだね この二つはヤバいww あとね、明太子巻きも、うまい(・ω・)bうん。美味しい」としたうえで、「1位 いくら 2位 サーモン 3位 明太子巻き」などと丁寧にランキングまで発表しています。

とんこつラーメン、紅生姜を入れるのはアリ? ナシ?

「おにぎり」の場合、選択肢に「明太子(たらこ)」とあったことに対し、「たらこと明太子は違う!」と興奮する人も出ました。「ラーメン」の場合は福岡の人が「私はとんこつ派 やっぱり福岡・博多と言えばとんこつですよね~ 他のラーメンもおいしいけどさぁやっぱりとんこつ屋台もいいとよ♪ 食べたことない人も食べてみて」と地元愛を炸裂させるなど、いずれのトピックも盛り上がりを見せています。

逆に、なかなか多くの件数を書かれなかったのが「面白い話をする時、笑わずに話せる?つい笑っちゃう?」(1891件)です。なぜ数が少ないかといいますと、「あれ、私どっちだったかな?」とまず思わせてしまうのです。このとき「脊髄反射」できるネタが多数書いてもらうための第一条件となります。「好きなおにぎり」であれば「ツナマヨ一択でしょう! 間違いない!」とすぐに答えられ、その後いかにツナマヨが好きか、アツき思いを書き、そのうえで「二位は昆布だな。なぜかというと…」と続けられるのです。

「面白い話をする時、笑わずに話せる?つい笑っちゃう?」は最初段階の「確か面白い話をする時私笑いがちだよね」をクリアできたとしても「どのシチュエーションでそれがあったかな…」とまたもや「考えさせる」手間をユーザーに与えてしまいます。

また、上記では食べ物ネタが多数書かれていることが分かりましたが、食べ物ネタでも少なかったのが「ドリンクバーを頼んだら何杯飲む?」(2381件)です。これは、そもそもドリンクバーのあるファミレスが近くにない方もいるわけで、「身近さ」が必ずしも高かったワケではなかったのでしょう。また、「何杯か」なんて人は普段意識はしていないのです。

もしかしたらこんなネタふりだったら多数書かれていたかもしれませんね。

「ドリンクバーは何杯以上飲めば元が取れると思う?」
「ドリンクバー 一番好きな飲み物はなに?」
「ファミレスでドリンクバーがあったら頼む? 頼まない?」

ただし、数が少ないネタはけっこう深く分析されたりしている場合もありますので、「真剣な意見」を知りたい場合は答えにくい聞き方をするのも一つの手です。

というわけですので、「クチコミつながり」の一覧は皆さんがネットで「何かを書いてもらう」企画を立てる場合、トピックスの立て方、コピーワークの面で参考になるかもしれませんよ。

中川淳一郎「ネットで人気ものになるネタの生まれ方!」バックナンバー

中川 淳一郎(ニュースサイト 編集者)
中川 淳一郎(ニュースサイト 編集者)

1997年博報堂に入社。コーポレートコミュニケーション局に配属となり、企業のPR業務を担当。2001年に退社し、『日経エンタテインメント!』のライターとして活動後、「テレビブロス」編集者になる。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などをしながら、2006年からインターネット上のニュースサイトの編集者になる。現在は編集・執筆業務の他、ネットでの情報発信に関するプランニング業務も行っている。宣伝会議「Web&ソーシャルライティング実践講座」「戦略PR講座」講師。肉巻きアスパラ大好き。

Blog: http://blog.goo.ne.jp/konotawake
Twitter: http://twitter.com/unkotaberuno

中川 淳一郎(ニュースサイト 編集者)

1997年博報堂に入社。コーポレートコミュニケーション局に配属となり、企業のPR業務を担当。2001年に退社し、『日経エンタテインメント!』のライターとして活動後、「テレビブロス」編集者になる。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などをしながら、2006年からインターネット上のニュースサイトの編集者になる。現在は編集・執筆業務の他、ネットでの情報発信に関するプランニング業務も行っている。宣伝会議「Web&ソーシャルライティング実践講座」「戦略PR講座」講師。肉巻きアスパラ大好き。

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