スマートフォンの浸透など生活者が接するデバイスが多様化し、自社サイトやコンテンツの対応を考える企業も増えている。企業においてWEBサイトのマルチデバイス化はどこまで進める必要があるのか。
「宣伝会議」12月15日発売号では、特集「PC×フィーチャーフォン×スマートフォン マルチデバイス時代の企業サイト」をテーマに特集を組んでいる。特集ではマルチデバイス化の現状、その変化が与えるユーザー行動への影響HTML5など、具体的な対応において必要な知識をレポートした。本誌発売に先立ち、特集に掲載のミスターフュージョン・代表取締役の石嶋洋平氏が答える「マルチデバイス対応は、どこまで必要?―対応を考える前におさえておきたいポイント」を2回に分けて紹介する。
ミスターフュージョン代表取締役 石嶋洋平
日本においてもスマートフォンが普及し、また携帯端末やタブレット端末技術も進化し、企業サイトやマーケティングサイトをどう考え、環境変化に適応させていけばいいのか、という質問をよく受ける。どうしたらマルチデバイスに対応できるのか。そもそも、マルチデバイスに対応する必要があるのか、などよく寄せられる質問に対し、私の経験から考えをまとめてみた。私自身が今、マルチデバイス対応において必要と思う考え方は以下の3つである。
- マルチデバイス対応サイトの目的を明確にする
- アクセス解析に基づき目的達成までのプロセスを明確にした上で、マルチデバイス対応を考える
- 外部リソースを効果的に活用する
この3つの考え方をベースに、今後の計画策定に役立てていただけるような解説をQ&A形式でしていきたいと思う。
Q.そもそも「マルチデバイス対応」とは何?
現在の企業サイトやマーケティングサイトは、PCでの閲覧用に制作されており、近年利用者の増えているスマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット端末などでは一部のコンテンツが表示されない(崩れて表示される)場合がある。マルチデバイス対応とは、これらの問題を回避するため、様々なデバイスにサイトを対応させるという意味だ。Androidでは、Flashは再生できるが、iPhoneやiPadでは再生できない。このような場合、Flashの動画部分をJavaScriptで動画表現したり、HTML5でコーディングをするなど、デバイスごとの対応を行う必要がある。
Q.マルチデバイス対応サイトはPCサイトとアクセスを奪いあうことはないの?
必ずしもそうとはいえない。当社のクライアントである音楽業界の某サイトでは、マルチデバイス対応を行った後のアクセス数において、「1位スマートフォン対応サイト、2位PCサイト、3位フィーチャーフォン対応サイト」となり、既存のサイトのアクセスは減少するばかりか、新設サイト分のアクセスが積み増される結果も出ている。
※続きの『どこまで必要?企業サイトのマルチデバイス対応②』は明日(12/9)掲載予定です。