前回のコラムに少し関連するのですが、
僕がインド南部にあるバンガロールに滞在していた時の話になります。
(ちなみにバンガロールはインドのシリコンバレーと呼ばれるIT産業都市です)
友人が留学中のバンガロールの大学にて学園祭があるということで、お邪魔してきたのです。
メインステージではネパール人による民族舞踊や、アフガニスタン人によるファッションショーなど、多彩な催し物が開かれていました……が、僕が最も衝撃を受けたのは大学キャンパスの中庭にいくつかブースが展開されている中に、『MISO SOUP』という文字を見つけた時でした。
『SUSHI』や『TEMPURA』『TERIYAKI』などは旅中に目にしてきましたが、『MISO SOUP』を大々的に謳うところを見かけることはありませんでした。
まさかここ、インドでみることになるとは・・・しかも学園祭のブースで・・・
彼らは学園祭の中でサンプリングブースのようなものを展開していました。
通常よりも安い価格で、来場者にMISO SOUPを飲んでもらって、顧客として取り込もうという算段でしょうか。
驚いたことに、このMISO SOUP、日本企業は関係なくて、Amalgam というインド企業が独自に開発製造しているものだそうです。
ここで彼らがMISO SOUPを売り込むキャッチフレーズに使っているのが、
『Delicious And Ridiculously Healthy.(おいしくて、とてつもなく健康になる!)』でした。
彼らは味噌の特徴をこのように説明しています。
- Prevent Stomach Ulcer(胃潰瘍予防効果)
- Detoxification(解毒orアルコール依存への治療効果)
- Prevent Cancer(ガン予防効果)
- Promote Digestion(消化促進効果)
- Protect from harmful effects of Tobacco(煙草の害から守る効果)
- Anti-aging(アンチエイジング効果)
えぇと…。
なんだか僕ら日本人が当たり前のように日々頂いている味噌汁が、
とてつもなく偉大なアイテムにみえてきましたね…!(笑)
きっとこのMISO SOUPを発売したインド企業は、
日本が世界長寿大国(健康大国)であるというブランド力を武器に、MISO SOUPをインドで広めようとしているのだと思います。ちなみにインスタント味噌汁なのですが、1杯40ルピーですので、日本円にして約60円。
インドでは決して気軽に手にできる価格帯ではありません。インドの中上流階層を狙っているのでしょう。
僕は実際に試食してみましたが、これが日本人の僕でも美味しく頂けました!
わかる人にしかわかりませんが、僕が飲んだクラシック・ミソスープの味は吉野家の味噌汁に近いものがありましたね。
本来は日本の味噌メーカーなどが積極的に海外での味噌普及に取り組んでいくべきところだと思いますが、インドでは先手を取られましたね…。
とはいえ、まだまだ味噌自体は世界的にはSUSHIほどには知名度はありません。
日本の健康ブランド力を武器に、世界展開も狙っていけるのではないでしょうか?
インドでその一例を垣間見ましたので、皆さんに共有でした。
太田英基「若手起業家、世界一周へ」バックナンバー
- 第58回 日本の『長寿』&『健康』を海外に売り込めるか?(1/27)
- 第57回 ドバイ政府と中国政府のサポートで運営されているドラゴンマートとは?(1/20)
- 第56回 インドの広告業界の嘆き~インターネットインフラの弱さ~(1/13)
- 第55回 7年前・7年後のインド旅行の違いから学んだこと。(1/6)
- 第54回 2012年、オランダの航空会社が仕掛ける「ソーシャルシーティング」とは!?(12/16)
- 第53回 ドバイで売れ行き好調!一台、数百万する高級携帯電話VERTU(12/9)
- 第52回 日本のトイレが秘める可能性(12/2)
- 第51回 世界の食のタブー、知っていますか?(11/25)
- 第50回 グローバルスタンダードは「甘いお茶」!?~日本の緑茶は世界でウケるのか~(11/18)