フェイスブックを活用したマーケティング施策を顕彰する「Facebook Studio Awards」(主催=米Facebook)の受賞者が発表された。グランプリにあたる「BLUE AWARD」はアメリカン・エキスプレスの「Small Business Saturday」だった。
同施策は、米大手小売り店の書き入れ時となる11月第4木曜日の感謝祭翌日で、年末商戦の始まりである「ブラック・フライデー」と、ネットショッピングに注文が集まる翌週月曜日の「サイバー・マンデー」の合間の土曜日を、中小小売り店のための日として設定した企画。50万人以上の中小小売り店の経営者が参加、米国民1億300万人が同日に買い物をした。アメックスカード会員による、中小店舗での取引額は23%増加したという。2010年に引き続き、2度目の実施。
参加した小売り店経営者に提供したのは、フェイスブック上の広告枠や、ビデオ作成できるオンラインツール、二次元バーコードを記載した店頭ステッカーなど。消費者向けには25ドル分のクーポンを配布し、中小店舗での買い物を促した。同施策のフェイスブックページは約270万人のファンを獲得。オバマ米大統領を実際に買い物させるなどのPR施策で、メディアからの取材も相次いだ。結果、一般認知度は前年実施時の37%から65%へ伸長した。
「GOLD AWARD」を獲得したのはオランダ版「Flair」(女性ファッション誌)の「Fashion Tag」、フィンランドの現代美術館「Kiasma」の「Make a better one yourself, then」、米製菓メーカーWrigleyの「Serenading Unicorn 2011」、スイス社会民主党の「What Zürich Needs」。
「Fashion Tag」は、フェイスブック上に投稿された写真の服などファッションアイテムにタグ付けし、投稿者に「どこで買ったのか、いくらしたか」などを質問できるアプリ。人気を集めたファッションは、雑誌誌面上でも取り上げた。「What Zürich Needs」は、若者世代からの投票を増やそうと実施された施策で、「スイスで、こんなことが実現したらいい」と思うことをフェイスブックページ上で募集・投票を行い、スイス社民党の議員が上位4つのアイデアを実現させるという企画。実際に、街に無料Wi-Fiネットワークを導入する、公共交通の運賃を安くする、などといったアイデアを実現させた。
その他の受賞者は以下の通り。
【SILVER AWARD】
- Health insurance company Dovera「My Blood Group」
- Intel「Progress Thru Processors」
【BRONZE AWARD】
- Commonwealth Bank「Community Seeds」
- Nike「Corrida Sp-Rio 2011」
- Wrigley「Mob the Rainbow」
- Nike「Nike+ GPS App」
【修正履歴】
2012/12/3 本文2段落目に誤植がございましたので、修正致しました。