大重絵里(電通 コピーライター)
“どうやったらコピーライターになれますか?”
OG訪問などでよく聞かれます。
もし私がコピーライターを志望する学生だったら、同じような質問をすると思います。
コピーライターになる方法はいろいろあります。
広告代理店に就職する、制作プロダクションに就職する、企業に就職し広報で働く、
自らコピーライターと名乗るなど・・・。
でもこの質問の真意って、たぶん
“コピーライターには何が必要ですか?”
だと思うのです。
必要なものは? と問われると、
文章力! 時代を見る目! 情報処理力! センス! など無限にあるとは思うのですが、
私はコピーライターになりたての頃から、
とにかく「素直」という感覚を大事にしてきました。
つまり、嘘をつかないということ。
本当に思ってないこと、面白いと思っていないことをコピー化しないこと。
自分に響かないことが、ましてや他の人に響くことはないと思います。
嘘はバレます(笑)
プロジェクトによって解決策は様々ですが、
どんな事柄であれ、嘘をつかないこと、を自分への約束事としています。
そして、もうひとつ。
これはコピーライターという職業に限りませんが、
私が行動を起こすうえで大事にしている感覚があります。
それは、嫉妬心。
いいなと思う広告、プロモーション、コンテンツ、商品などに出会ったとき。
この言葉、私が書きたかった! その仕事、私がやりたかった! と、
自分のなかに芽生える「嫉妬」というものを、
モチベーションやバロメーターにしています。
ちなみに「憧れ」では弱いです。どこか超えられない気がするから。
嫉妬だと、標的とするものが、どれほど眩しくて遠い存在であっても、
無理矢理にでも同じ土俵に立っている感覚があります。
そこに嫉妬心があるかぎり、私は今日も物怖じせずに戦うことができています。
大重絵里(おおしげ・えり)
電通第5クリエーティブ局コピーライター。鹿児島生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。電通入社後、営業を経てコピーライターに。ACCヤングカンヌ フィルム部門シルバー、TCC新人賞受賞など。
コピーライター養成講座卒業生が語る ある若手広告人の日常 バックナンバー
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