『販促会議』2012年2月号よりスタートした、実施したキャンペーンが実際の販売に与えた影響はどのようなものだったのかを検証する連載。今回は「いち髪」リニューアルキャンペーンについて検証する。
(『販促会議』2012年4月号「TOP PROMOTIONS のその後」より)
キャンペーンの目的と実施施策
新しいCMキャラクターを使ったリブランディングを行い、F1層をターゲットとしたキャンペーンを実施。中でもマガジンハウスが発行する女性誌『an・an』とタイアップして裏側の広告を表紙と連動。書店などこれまで接触がなかったところで、消費者 との接点を持てるようにした。
調査期間は2011年9月1日から10月末。この期間は、東日本大震災などの影響により、ヘアケア市場全体も売り上げが低下している。これは市場全体のことなので「いち髪」の購入実数も、購入者数・個数・金額ともに、昨年より減少傾向となった。しかし、カスタマー・コミュニケーションズが行うABCL分析(注1)では、売上個数順位で昨年11位から8位へランクアップ。昨年同時期と比較し、若干のシェア増とリピート率向上が見られた。
検証1:F1層の新規購入客の割合が高い
「いち髪」購入者の内の新規顧客の割合を見ると、25~29歳が52.65%、30~34歳が52.91%と基準ラインを上回る結果となった。ターゲット層が今回のキャンペーンをきっかけに新たに商品を購入したといえる。
検証2:継続購入率が5ポイント以上上昇
9~10月末を基準としてその前後で商品購入に占める新規客の割合を調べたところ、継続購入率は51.35%と5%以上アップした。一度だけの購入だけでなく、その後のリピートにつながるロイヤル顧客の育成にも効果があった。
検証3:カテゴリー内でのABCLランキングが上昇
カテゴリー全体の購入個数における構成比は、2010年9~11月期の2.09%から2.13%。同時期のリピート率も前年の21.75%から22.76%へと上昇している。その結果、カスタマー・コミュニケーションズのABCLランキングでは昨年同時期の11位から8位へと上昇がみられた。市場全体としては、20 歳未満の販売点数、金額は増加。また 40 代の購入者人数、販売点数、金額が増加していた。
『販促会議』2012年4月号により詳細な解説が掲載されています。
*注1:通常の「ABC分析」に商品ロイヤルティ(L)として「リピート率」を加えた分析手法。「買上点数構成比」によるABC判定と「リピート率」をあわせて見ることによって、「 絶対に欠品させてはいけないアイテム」や「売込めばリピーターがついて、伸びてくる商品」を発見することが可能となる。
調査概要:カスタマー・コミュニケーションズが保有する全国ドラッグストアの顧客ID付POSデータを使用。ドラッグストア350万人のデータから全国の購買を対象に分析した。来店客のポイントカードなどによって顧客識別を行い、一人ひとりの購買履歴を収集することで、より深い購買分析が可能となる。
<詳細についてはこちら>
【シリーズ:TOP PROMOTIONS のその後】
- プロモーション効果を検証!皮膚トラブルを抱える層からの流入が盛んに~販促会議3月号より
- あのプロモーションの成果は?編集部が独自に検証 イチジク製薬「Ichijiku KC」「恋じりイチジク神社」~販促会議2月号より