大重絵里(電通 コピーライター)
突然ですが、私はサッカーが好きです。
正確にいうと、Jリーグが大好きです。(ちなみに、このプロフィールの写真でいっしょに写っているのは応援しているクラブのマスコットです・・・)
サッカーの魅力は私が語らなくとも、みなさん十分にご承知だと思います。
Jリーグに関していうと、サッカー以外にも地域密着といった街おこしの魅力もあります。
広告の話となんの関係があるの? と思うかもしれませんが、
広告の仕事って、様々な案件があり、好きなことに関わるチャンスも多くあります。
もちろん、好きなことは仕事にしない方がいいという意見もありますし、それも分かります。客観的になりづらいし、エネルギーが強いぶん、辛いことも多いです。ですが、やっぱり私は自分がいいなと思ったものを、世の中に伝えて、ひとりでも多くの人を喜ばせたい。
そこで、サッカーです。
幸運にも、入社してからサッカー関係の仕事を多くさせてもらっています。
ドリブルやシュートの技術ではなく、コミュニケーションの技術で、どうやってサッカーのチカラになれるのか。より多くの人に応援したい、スタジアムに行きたいって思ってもらえるか・・・。人を動かすことの大変さを痛感している毎日です。
“人を動かすこと”それが、広告のゴールです。
シンプルだけど、とても難しい。
でも、サッカーも含め、私も日々何かに影響を受け、大なり小なり動かされています。
そして動かされた理由をそのままにせず、きちんと検証すること。
そこにこそ、人を動かすためのヒントや解決策があると考えています。
自分が動かされているかぎり、それは枯渇しません。
好きなものがあるかぎり、その心の機微にコミュニケーションのヒントは潜んでいる。
そう信じて、今日も私は広告のピッチで走り続けています。
<Jリーグ>
左から「Jリーグ百年構想ポスター」「2010Jリーグ閉幕 新聞広告」「2011Jリーグ再開 新聞広告」
(※画像をクリックすると拡大表示します)
震災後のJリーグ再開に向けて、コピーを書かせてもらいました。
忘れられない仕事になりました。
<スカパー!FIFAワールドカップキャンペーン>
オシムさんの理論や考え方を次々とキャッチコピー化してCMや新聞広告などを制作しました。オシム語録と言われるほど、言葉使いが巧みでいらっしゃるので、
インタビュー記事を読むだけでもサッカーだけでなく、キャッチコピーの勉強にもなりました。
<スカパー!Jリーグキャンペーン>
CMでは選手がいろいろな決意を語っているのですが、ご本人から出てくる生きた言葉はやはり強いと感じました。
<FC KAGOSHIMA 2012年度チームスローガン>
地元の鹿児島を盛り上げるため、お手伝いさせてもらっています。
Jリーグ昇格、そしてその先にある、街おこしを実現させていきたいです。
私の大好きなサッカー選手が「サッカーって最高で、もっといろんな人に知ってもらいたい」と言っていました。コピーで、広告で、私はそれを実現していきたいです。
大重絵里さんのコラムは今回で終了です。次回(4月2日)からは大津健一さんさん(東京アドエージェンシー)のコラムを掲載します。
大重絵里(おおしげ・えり)
電通第5クリエーティブ局コピーライター。鹿児島生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。電通入社後、営業を経てコピーライターに。ACCヤングカンヌ フィルム部門シルバー、TCC新人賞受賞など。
コピーライター養成講座卒業生が語る ある若手広告人の日常 バックナンバー
- 第10回 すべてのコミュニケーションの根幹には「言葉」がある by 大重絵里 (3/19)
- 第9回 どうやったらコピーライターになれますか? by 大重絵里 (3/12)
- 第8回 考え続けられる人が、輝いている by 大重絵里 (3/5)
- 第7回 コピー!デザイン!コミュニケーション! by 山川力也 (2/27)
- 第6回 Q:制作会社のコピーライターって、どうですか? by 山川力也(2/20)
- 第5回 4人の講師と、37人の愛しきコピーバカヤロウたち。 by 山川力也(2/13)
- 第4回 「コピー」じゃなくて、「いいコピー」を書くために。 by 山川力也 (2/6)
- 第3回 ブランディングはじめました by 安田健一 (1/30)
『コピーライター養成講座』
講師は一流のコピーライターが直接指導 プロを育てる実践型カリキュラム
いまでも多くの有名クリエイターを輩出している本講座。幾度かの改変を経て、内容を一新。コピーやCMといった、広告クリエイティブだけでなく、インタラクティブ領域のコミュニケーション、マーケティングやメディアクリエイティブなど、さまざまな視点からコミュニケーションを構築する能力を養い、次世代のクリエイターを育てます。
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