環境問題に立ち向かう勇気と、草の根の地道な活動を称える環境ヒーロー6人が選ばれた。選出したのはゴールドマン環境賞で、受賞した6人には15万ドルが贈られた。2012年の受賞者はアルゼンチン、中国、ケニア、フィリピン、ロシア、アメリカからそれぞれ1名ずつとなっている。
主催するゴールドマン環境基金は、1989年にサンフランシスコの市民活動家でフィランソロピストのリチャード・ゴールドマンとローダ・ゴールドマンによって創設された。受賞者は世界中の環境団体や個人のネットワークにより推薦された候補者のなかから選ばれる(審査のプロセスは非公開)。プレスキットを含む詳細情報はウェブサイトからダウンロードできる。
受賞者はサンフランシスコのオペラハウスで4月16日に開かれるセレモニーに招かれるほか、ワシントンD.C.で行われるスミソニアン国立自然史博物館での18日のセレモニーにも招かれる。今年の受賞者を紹介しよう。
イカル・アンゲレイ(ケニア):命がけでトゥルカナ湖の自然を破壊するダム建設に反対
命がけでトゥルカナ湖の周辺の地元民の水へのアクセスを奪うギベ3ダムの建設に反対した。
マジュン(中国):国の環境法を犯す工場のマップを作製
環境法に違反し、環境を汚染している中国国内の工場を、オンラインのデータベースとデジタルマップ上で明らかにすることにより、環境汚染の改善を目指す。
エフゲーニャ・チリコワ(ロシア):高速道路建設によるヒムキの森破壊を阻止
モスクワの“緑の肺” であるヒムキの森を二分する高速道路の計画を改定させるためにロシア市民の同士とともに活動し、政治腐敗とたたかっている。
エドウィン・ガリケス(フィリピン):生物多様性と地域の暮らしを守るためニッケル採掘に反対
ミンドロ島の生物多様性と地域住民の暮らしを守るため、ニッケル鉱の採掘に反対する草の根の運動を主導したカソリックの神父。
キャロリーヌ・キャノン(アメリカ):北極海先住民の暮らしと水の安全のために活動
海洋油田とガス田採掘から北極海の水の安全を守るための戦いにポイントホープの先住民イヌピアトの声と視点を届けた。
ソフィア・ガティーカ(アルゼンチン):農薬による大豆農場の汚染防止のために活動
殺虫剤の汚染によって子どもを亡くしたソフィアは、毒性のある農業用化学物質の使用による大豆農場の汚染防止のために地域の女性たちとともに活動する。
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