優れたマーケティング活動を顕彰する「第4回日本マーケティング大賞」(日本マーケティング協会主催)の受賞企業が4月27日に発表され、大賞には、「タニタの『社員食堂』を起点としたビジネス展開」が選ばれた。社員食堂のレシピを掲載した書籍のヒットを皮切りに、レストラン経営や弁当販売などに展開し、本業の家庭用体重計や体脂肪計の潜在顧客を掘り起こしたことが評価された。
タニタは2010年1月にレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」を出版、続編と合わせて累計で436万部を販売した(2012年1月現在)。マーケティング協会は、「一見偶発的にも見られている『社員食堂』への注目を、間髪入れずにマーケティング活動につなげたスピード感や柔軟性は大いに評価できる」とコメントした。こうした展開が本業のブランドイメージ向上につながっていることも評価された。
このほか、奨励賞には味の素の「発売41年目の『ほんだし』再活性化プロジェクト」など5事例が、地域賞には大阪の「あべのマーケットパークキューズモールの“地域共生”型開発・運営」(東急不動産)など3事例がそれぞれ選ばれた。
日本マーケティング大賞は、企業マーケティング活動のプレゼンスを向上させる目的で、09年に創設された。昨年は、「すすぎ1回」「軽量小型化」を実現した花王「アタックNeo」のマーケティング活動が大賞に選ばれた。
今回は、2011年1月~12月に実施されたマーケティング活動が対象。推薦マーケティング事例は、前回から11件減少し197件の中から選ばれた。
各賞の詳細は次の通り。
【大賞】
タニタの「社員食堂」を起点としたビジネス展開(タニタ)
【奨励賞】
発売41年目の「ほんだし」再活性化プロジェクト(味の素)
みんなの最先端ロボット「やすかわくん」(安川電機)
初音ミク N次創作による創作の拡がり(クリプトン・フューチャー・メディア)
Googleのプラットフォームを活かした中小企業支援活動(グーグル)
AKB48を支えるマーケティング戦略(秋元康氏)
【地域賞】
あべのマーケットパーク キューズモールの“地域共生”型開発・運営(東急不動産/関西地区)
九州新幹線の全線開業プロジェクト(九州旅客鉄道/九州地区)
くるるの杜を通した食と農の広報マーケティング(ホクレン農業協同組合連合会/北海道地区)