英国発のファッションブランド「BURBERRY(バーバリー)」は3月、アジア最大規模の旗艦店を台湾・台北市のショッピングモール「台北101」内にオープンした。これを記念して、バーバリーのブランドマネジメントを統括するチーフ・クリエイティブ・オフィサーのクリストファー・ベイリーがプロデュースする“体験型”のイベントを、4月26日に台北市内で開催した。
このイベントで初めてお披露目されたのが、映像を通してブランドの世界観を体感できるデジタルコンテンツ「BURBERRY WORLD LIVE(バーバリー・ワールド・ライブ)」。イベントのために作られた円柱状の特設スペースに、360度見渡すことができる巨大スクリーンが設けられ、イギリスの自然や歴史的風景、イギリスの象徴ともいえる「雨」の音をリアルに再現した映像、さらにファッションショーの様子を含む、15分ほどのムービーが上映された。「バーバリー・ワールド・ライブ」は今後1年間をかけて、ロンドン、香港、シカゴの3都市をを巡回し、少しずつ内容を変えながら上映される予定だ。
イベントではその他、同ブランドが音楽とファッションの融合をテーマに2010年に開始したプロジェクト「BURBERRY ACOUSTIC(バーバリー・アコースティック)」の一環として、プロジェクトに参加しているミュージシャンのトム・オディールが台湾の学生オーケストラとコラボレーション、ライブパフォーマンスを披露した。
会場には、アイドルグループ・少女時代のジェシカや作曲家のチェン・イーをはじめ、地元・台湾のミュージシャンや俳優を中心に、アジア各国からVIPや著名人が招かれた。
バーバリーはこれまでも、ブランドの世界観を広く・深く訴求することを目的に、オンライン上でさまざまなデジタルコンテンツを公開してきた。同社は、「バーバリー ブランドの一つ『BURBERRY PRORSUM(バーバリー・プローサム)』の“プローサム(=ラテン語で「前進」)”にも表れているように、伝統やネームバリューに甘んじることなく、 常に時代に求められるものやメッセージを発信し続けることを、ブランド全体で意識している。そうしたなかで、デジタルコンテンツを用いた施策は、ブランド のプロモーションの“核”となる活動として重視している」としている。
近年、ファッションブランドがこうした“体感型”の顧客接点をつくり、ブランドの世界観をターゲットに訴求する動きが多く見られます。宣伝会議5月1日号の巻頭特集「ターゲットに届いた!効果的『メディアの選び方』」では、ジル スチュアート、ビームスなど多数の事例を通して、ターゲットの「行ってみたい!」「やってみたい!」気持ちを刺激する“体感型”接点づくりの戦略を紹介しています。
【巻頭特集】ターゲットに届いた!効果的「メディアの選び方」
既存ブランドでもメディアが増え情報量が増え、競合商品が増える中で「存在を知ってもらうこと」が難しくなっています。商品、サービスに自治体、アイドルまで、コモディティ化に悩むさまざまなブランドの顧客接点をつくりだすためのメディアクリエイティブ、メッセージ開発のアイデアを紹介します。