どうも、ベトナムで細菌性扁桃炎を発病し、敢え無く入院となった旅人です。
あと2カ月で帰国という時にやってしまいました。油断していたわけではないのですが…。
何はともあれ、今は退院して無事にベトナムを北上中です。
今回はちょっと旅の中で思ったことを皆さんにお伝えしたいと思います。
イランの首都テヘランにいた時でした。
街角で出逢った8割の人達は僕を見ると「あなたは日本人ですか?」と訊いてきて、その後に僕が「はい。日本人です」と返すと、明るい笑顔で「おお!ドラマの“おしん”観ていたよ!キャプテン翼観ていたよ!」と声を掛けてくれるんですね。日本人である自分に興味を持ってもらえるというのは旅先ですので嬉しく思えました。
日本や日本人に興味を持って、好きになってくれる人たちというのは、こういった身近なところから入ってくるものだと思いました。
正直、数十年前の政治外交的な歴史のことがパッと頭に浮かんできて、それを引っ張りだして「我々は友好国だ!君が日本人で嬉しい!」などと言う人はよほどのインテリか物好きな人でしょう。
一般大衆レベルでは、以前イランで大人気となって放送されていた「おしん」であり、「キャプテン翼」などのコンテンツが日本や日本人への興味のキッカケになっているのです。「おしん」などのドラマからは日本の生活や文化・伝統なども知ることができます。ちなみに世界中で幾つもの国で日本語を学ぶ人達に出逢いましたが、日本語を学ぶ人たちのキッカケで多いのは「アニメ・漫画が好きだから」という理由の人が圧倒的に多い印象です(東アジアは仕事面も強いと思いますが)。
さて、イランの街角で出逢った残りの2割の人達の話です。
彼らは僕を見ると「あなたは韓国人ですか?」と訊いてきて、その後に僕が「いいえ。日本人ですよ」と返すと、少しだけ残念そうな顔をするのでした。皆、10代から20代前半ぐらいの若者ばかりでした。皆、僕が韓国人であることを期待していた様子でした。
これはいったいなんだろう? そう考えていました。
イラン人の友達に聞いたところ、現在イランでは韓国ドラマが大流行しているのだそうです。
かつて、「おしん」が流行した時のように、現在では韓国ドラマが流行し、放送時間には騒がしい住宅地も静かになり皆テレビに釘付けになると言っていました。
「おしん」を知らないイランの若い世代にとって、東洋人というのは日本人ではなく、韓国人であるという認識が今後強くなっていくのでしょう。そして、韓国ドラマから韓国文化や韓国語にも興味を持ち始めるのでしょう。
20年後にイランを旅行したら、この8割と2割は逆転するのではないか?
ふと、そう思いました。
カンボジアの首都プノンペンにいた時でした。
カンボジアの大型ショッピングセンターに行った時ですが、家電量販店の店頭には韓国メーカーLGの大型液晶パネルが並んでいました。ズラリと。
そして、そのLGの液晶の中には光り輝く韓流アイドル達が踊っている映像が流れているのでした。
その画面の前に立って映像を眺めるカンボジアの若者が僕の目の前にいたことを鮮明に憶えています。
このように韓国は韓国ファンを増やしつつ、韓国製品のプロモーションも後押しするという素晴らしいサイクルが出来ているんだなと、旅中に国境を跨いで実感するのでした。
日本も経産省を中心に動き始めていると聞きますが、早く挽回しないと大変な手遅れになるのでは…と思っていたりします。
ただ、やはり日本のアニメコンテンツの強さは未だに圧倒的だと感じています。
大国インドでは「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」が大ヒット放送中です。
アニメはもちろんですが、ドラマや音楽コンテンツでも攻めていかねば! と思う次第なのでした。
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