ロンドン夏季オリンピックがいよいよ7月27日より8月12日まで開催される。皆様の中にも日本選手の活躍を期待される方が多いのではないだろうか?コカ・コーラはオリンピックのワールドワイド・パートナーとして活発なマーケティング活用を行っている。4年に一度のこの大会に関してはかなり前より入念に準備されている。
すでにコカ・コーラオリンピック応援パークには70万人を越えるユーザーに登録いただき、アメーバピグのコカ・コーラオリンピック応援スタジアムには延べ200万人以上のユーザーが訪問している。その中でも今回日本のコカ・コーラのデジタルマーケティング施策の目玉として挙げられるのが、現在急成長を遂げているLINEのコミュニケーションツールであるスタンプの活用と、オリンピック期間中の24時間にわたるソーシャルメディアのアクティブサポートの実験である。
前回のオリンピック時の2008年には主だったSNS(ソーシャルネットワークサービス)の国内会員数は延べ2700万人だったが、現在はSNSの参加者は延べ1億7200万人と急増している。下の表を見ていただくとわかるように、大きく成長したSNSもあれば、新しくできたものも多い。
上記のSNSの中でも成長が著しいのが以前のコラムで紹介した昨年サービスを開始したばかりのLINEである。LINEには色々な機能があるが、特に人気が高いのが“スタンプ”と呼ばれる絵文字のようなコミュニケーションである。ラインのスタンプにはさまざまな種類のものがあり、文章を打ち込まなくても自分の感情などを表現できるために誰でも容易に活用できる上に、コミュニケーションの対象がスマートフォンの電話番号の相手になり、携帯メールの絵文字のような効果があるのである。
ちなみにオリエンタルラジオの中田敦彦さんは7月21日に放送されたコカ・コーラ パークTVの中で「僕は奥さんとのコミュニケーションはほとんどLINEを使っています。スタンプの内容や数で奥さんの機嫌をはかることができます」と述べている。
今回、日本コカ・コーラではオリンピックキャンペーンを展開する3のブランドがある。そしてそれぞれコカ・コーラを象徴するキャラクターとしてポーラーベア、アクエリアスを代表するキャラクターとして北島康介選手、そしてグラソー ビタミン・ウォーターのキャンペーンで活用しているグラソー衛兵をLINEのスタンプとして提供を開始した。特に北島選手の活躍とともにどのように活用されるかが注目される。
上記のように華やかではないが、大変意義がある施策として社内で地道に取り組んでいるものがある。それはオリンピック期間(7月27日から8月12日)の間、ツイッターのコカ・コーラ オリンピック応援パーク アカウント(@London_CCPark)が、ソーシャルメディア上で見つけた“オリンピック”や“コカ・コーラ”や“北島康介”選手に関するツイートを見つけると、それに対して積極的に応えていく、いわゆるアクティブサポートの取り組みである。
例えばあなたがツイッター上で“北島選手、がんばれ!”とつぶやいたとするとコカ・コーラ オリンピック応援パークのアカウントから突然“ありがとうございます!「僕にはできる!」と一緒に応援しましょう!”のようなツッコミが突如入ることになるのである。実際には昨年より入念に計画しパートナー企業などと一緒に24時間の監視、書き込み体制を構築した。
日本の消費者はまだこのような企業の積極的な関与に関して期待はしていないが、海外ではすでにコカ・コーラでも実施されており、いずれ来るかもしれない日本のソーシャル時代に向けて実験を行うものである。幸いオリンピックに関しては大きなネガティブ要素がないゆえ、また期間限定だが国民の関心事であるので、実験には適していると考えている。
筆者の意見ではこのようなアクティブサポートを行う場合、中止することは消費者の信用を失うことにつながるので、はじめから、期間限定を宣言することで実験を行うものである。こちらの成果に関して発表することが可能かわからないが、皆さんもぜひアカウントをフォローいただき、感想をいただけるとありがたいと思っている。
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