宣伝会議が発行の月刊『販促会議』では、AKB48を起用したキャンペーンで、いかに商品・サービスが動いたのかに関する取材を21社に実施した。それによると、江崎グリコの「アイスの実」では2011年、AKB48を起用した「江口愛実」キャンペーンで、パブリシティが広告費換算で30億円にのぼり、売り上げが前年比150%超に。カゴメ「野菜一日これ一本」は、2年間3回のプレゼントキャンペーンで応募総数が1200万件を超え、AKB48を初起用した2010年度の販売数は前年比3割増と伸長。各社で記録的な結果が出ている。商品自体に力があるのは間違いないが、AKB48の「人を動かす力」の大きさが分かる結果となった。
AKB48を起用したプロモーションは、他のアイドルとは異なり、企画性の高いものが多い傾向にある。8月29日には、アサヒ飲料の「WONDA」で、優勝者がハワイへ100人を連れていける、「WONDA×AKB48 日本全国じゃんけん大会」をスタートしたが、こうしたユニークなプロモーションが次々と生まれている背景にはAKB48を希薄化させずに、新しいAKB48を提供し続けようとする総合プロデューサーの秋元康氏の存在がある。すでにたくさんのプロモーションに出演するAKB48だが、企業が起用し続ける理由のひとつは、常に面白いことに挑戦しようとする姿勢にあった。