オークローンマーケティングの代表取締役社長のハリー・A・ヒル氏は9月9日、日本の企業トップとしては初めて、通販関連事業者の国際的業界団体ERA(Electronic Retailing Association)の理事長に就任する。
その前の9月5日、同氏が日米通販業界の最新の動きなどについてマスコミ関係者などに話をする機会を設けた。
ハリー氏が就任するERAは、通販事業者など主にD2C(Direct to Consumers=店舗などを持たず、直接商品を消費者に販売する)企業を中心に約45カ国、450社が加盟。そこには、アメリカのGoogle社やe-bay社なども加わっている。また、高品質な商品やサービスを消費者に届けるための法律・規制の順守・維持や会員各社の情報交換を促進することで、業界の信頼を高めるために活動している。
この席でハリー氏は、日米の通販市場の変遷について解説。米国の市場は2010年が1兆8307億ドル(約143兆円)から、11年には1兆9605億ドル(約153兆円)と伸長しており、特にインターネットメディアによる販売が伸びていることを指摘。すでに1億1100万人がインターネットショッピングを利用しており、商品購入前の情報収集として、口コミサイトやブログ記事、ソーシャルネットワークなどを参考にする傾向があると話した。特に通販のソーシャルネットワークにおける売上高は2011年に319億ドル、2012年は388億ドル(見込み)と、大きな伸長が予想されており、この分野の販売手法が期待されていることを示した。
最後にハリー氏は自身のオークローンマーケティングの今後の展望についても言及。「今後大きな成長が見込めるアジア諸国での事業展開行うべく、現在そのための戦略を策定しているところ。来年1月以降に進めていければ」とした。
日本企業の代表が国際業界団体のが理事長という立場に就くことによって、通販・流通業界におけるグローバルの最前線の情報が入ってくることになる。日本の通販業界にとっては、世界の潮流をいち早くつかみ、素早い対応が可能になるだけに、さらなる成長が期待される。