宣伝会議賞1分アドバイス(26)岡田直也さん「コピーライターは、日本語のプロフェッショナルであるべき」

9月1日からスタートした第50回宣伝会議賞。10月31日の締切が徐々に迫ってきています。

アドタイでは今回、審査員を務めるクリエイターの皆さんから応募のアドバイスを一問一答でいただき、順次紹介しています。短い、シンプルな内容ではありますが、その言葉の節々にコピーを生み出すヒントが詰まっています。

宣伝会議賞の入賞、そしてコピーライターとしてのキャリアアップを目指す皆さんに向けたメッセージもいただきました。ぜひお役立てください。

岡田直也さん

本日は、岡田直也事務所の岡田直也さんへのインタビューを紹介します。

最近の仕事には、各分野の表現者・思考者が日本文化のさらなる深まりと広がりを目的に集まったボランティア集団「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」のポスター「砂上の実論」などがあります。(「エンジン01文化戦略会議」は、作曲家の三枝成彰さんが代表を務めるほか、かつての宣伝会議賞受賞者で作家の林真理子さんが幹事長、作詞家の秋元 康さんが副幹事長を務めています)

また、としまえんの1986年夏の広告「プール冷えてます」など、現在でも人々の口の端にのぼる“名コピー”を手がけてきました。としまえんの広告は、こちらからも見られます。

――コピーが浮かぶのは、どんな瞬間でしょうか?

岡田さん きちんと環境を整えて、机に向かうとき。事務所でも、喫茶店でも、場所は問いません。

――身の回りを整えることで、頭の中が整理され、コピーを考える準備ができるのかもしれませんね。コピーを考えるときの、マストアイテムと言えば何でしょうか?

岡田さん コーヒー、白いノート、話し相手です。

――「話し相手」というのが特徴的ですね。自分一人では狭くなりがちな視野が、誰かの意見が交わることで広がり、これまでにないアイデアにつながりそうです!最後に、岡田さんが考える「コピーライターとして必要なもの」とは、どんなものでしょうか。

岡田さん これからのコピーライターにとって最も大切なものは、リテラシーだと思います。コピーライターは、広告の枠を飛び出して、日本語のプロフェッショナルたらねばならない。真摯に、そう思います。

――広告は、世の中全体に向けて発信されるものだからこそ、コピーライターは「広告コピー」をうまく書くということ以上に、日本語を、言葉を正しく使う能力が求められているのですね。

次回は、電通の篠原 誠さんへのインタビューを紹介します。宣伝会議賞に応募していた頃のエピソードも伺いました。お楽しみに。

岡田直也(岡田直也事務所/クリエイティブディレクター)
1955年生まれ。主な仕事に豊島園遊園地「史上最低の遊園地」「プール冷えてます」、西武百貨店「川崎事件」「足りないものは何ですか」、トヨタ自動車、コニカ、ダイドードリンコ、シオノギ製薬、そごう「なにわ遊覧百貨店」などがある。TCC最高賞、ADC最高賞、OCCクラブ賞、朝日・読売・毎日広告賞など受賞。


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『宣伝会議賞』
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。
第50回 宣伝会議賞
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