日本広告業協会(JAAA)は12日、会員社の中から2012年一年間で最も活躍したクリエイターに贈られる「クリエイター・オブ・ザ・イヤー賞」に、電通の伊藤公一氏(アカウント・マネジメント局ECD)を選定したと発表した。5年ぶりの選出となった「審査委員特別賞」は博報堂の福部明浩氏、電通の菅野薫氏の両名に決定したほか、「メダリスト」には三寺雅人氏(ビーコンコミュニケーションズ)など6人が選ばれた。
伊藤氏は、ホンダの企業広告「負けるもんか。」のほか、FITやFREEDなどのブランド広告を含め企業コミュニケーション全般を担当。自動車メーカーの仕事を通じて基幹産業を広告の力で支えたことが評価された。JAAAクリエイティブ委員会の早乙女治委員長は、「伊藤さんのホンダ『負けるもんか。』も、福部さんのカロリーメイト『とどけ、熱量。』ともに、共感というファクターが広告には大事だと数年ぶりに感じさせられた」とコメントした。
同日都内で開かれた発表会で、伊藤氏は次のように述べた。
「クライアントとの信頼関係なくして優れた広告は生まれない。こうして賞をいただけるのも、僕らを信頼してくれたクライアントのおかげ。
僕はコピーライター出身なので、言葉の力が何より強いと思っている。(ホンダの仕事は)嘘のないメッセージをストレートに出してコミュニケーションすることができた。ホンダらしさへの強い思いを持つクライアントだったので、5本のキャッチフレーズを用意してホンダの人格を浮かび上がらせることを意識した。『人格広告』だと思っている」
メダリストの受賞者は次の通り。
- 原田朋(TBWA\HAKUHODO)
- 橋爪慎一郎(博報堂)
- 三寺雅人(ビーコン コミュニケーションズ)
- 中村信介(読売広告社)
- 多賀谷昌徳(グレイワールドワイド)
- 中島和哉(アサツー ディ・ケイ)
懸賞論文は岡田庄生氏が金賞受賞
JAAAは併せて、「第42回懸賞論文」の入賞者を発表した。「論文」の部の課題は「クリエイティビティの力」で、72編の応募の中から博報堂・岡田庄生氏(コンサルティング局ビジョンコンサルティング部ファシリテーター)の作品「経営者はなぜクリエイターに相談したいのか」が金賞に選ばれた。
ほかの受賞者は次の通り。
「論文」の部
- 銀賞=雨海祐介(博報堂)
- 銅賞=三田耕太郎(電通)
クリエイター・オブ・ザ・イヤー、懸賞論文ともに表彰式は5月31日の定時総会記念式典で行われる。