――電通パブリックリレーションズ チーフPRプランナー 井口 理 氏
東京のド真ん中、銀座数寄屋橋交差点すぐそばの銀座熊本館前で人だかりの騒ぎが起きていた…。そこにいたのは、人気のゆるキャラ「くまモン」。「やっぱかわいいなー」、と思いつつ近寄っていく人々の顔には、みるみる違和感が…。「あ、赤いほっぺがない!!」
10月30日に始まったこの騒ぎは、熊本県の「赤いけん!ウマいけん!くまもと」キャンペーンの一環。目的は、熊本にたくさんある「赤いイメージ」の特産物を全国的に売り込むためのプロモーションだ。例えば、全国生産量第1位のトマトや、馬肉などなど。赤にまつわるたくさんの名物をくまモンの赤ほっぺとリンクさせ、「美味しい赤い名物を食べすぎて、くまモンのほっぺが落ちた」というストーリーで展開した。
街中で突如繰り広げられたサプライズでソーシャル・メディアを賑わし、その後、事実関係を付加しつつマスメディアへも情報波及を図った。最後は、真相がわかるキャンペーンサイトへ生活者を引き込み、「腑に落ちる情報」として伝達。全体計画の初期段階からサプライズ・プロモーションにどう戦略PRを絡め情報拡散を最大化するか、その「ストーリー」と「タイミング」の緻密さが功を奏したと考えている。
写真で追う!「ほっぺなしくまモン」の東京、珍道中!?
街中のサプライズから、ソーシャル・メディアで話題を拡散。ほっぺを探しまわる、くまモンは銀座、渋谷、東京ドーム、果ては警察にまで。この様子を、スポーツ紙やテレビ などマスメディアの取材でさらに拡散。最後は熊本県知事自らの会見で「熊本=赤」のブランドカラー宣言の種明かし。種明かしは下記サイトで公開している。