機械によるマッチングの効率化と、人の手によるメディア取引の良さを両立させたい——。電通は6日、グーグルと共同で、「プライベート・マーケットプレイス(PMP)」構築のためのプラットフォーム提供を開始した。PMPは、選択的に集めたWebメディアに対してオンライン広告掲載の取引ができる仕組み。海外では大手広告主やメディア企業が利用に乗り出しており、広告会社ではWPPグループが先鞭をつけている。
同プラットフォームを利用すると、キャンペーン単位や、メディア会社単位でPMPを立ち上げられる。例えば、広告主が商品キャンペーンに合わせて適切なメディアを選択した上でPMPを構築したり、大手メディア会社が自社媒体を統合させたPMPを築き、特定の広告主を迎え入れたり、といったことが可能になる。出稿料なども、固定かオークションかなど個別に取り決める。
従来のオンライン広告取引と異なるのは、広告主もメディア側もお互いの「顔」がわかる点。自社の広告が配信されたWebサイトが商品にそぐわなかったり、逆にメディアにとっても掲載が望ましくない広告を排除できる。「従来的なメディア取引なら掲載先を指定できるのはもちろん、掲載場所のチェックもできていた。オンラインでも禁止(NG)ワード指定などは可能だが、文脈的に整合性があるかは不透明な部分もあった。PMPは取引効率を高めつつ、人の手が介在するメリットも生かせる」(電通の担当者)。
一方、サイト内の高価な広告枠を効率よく販売したいメディア企業にとっても、PMPを通じて、広告主に利用機会を提供できる点がメリットとなる。
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