その答えが提示される「Cisco Connect Japan 2014」の登壇者3名に、話を聞く。
分断された「顧客接点」をつなぐ
スマートフォンの世界的な普及のみならず、ウォッチや眼鏡タイプなどウェアラブルデバイスの開発が相次ぐ中、あらゆる「モノ」がインターネットに接続する、IoT(Internet of Things)の概念に再び注目が集まっている。
シスコの八子知礼氏は「当社では2020年の段階で、ネット接続するデバイスの数は、世界で約500億台と試算している。それでも、世の中にあるモノの1%にすぎない」と話す。
残りの99%のモノがネットにつながることができたら新しい世界が生まれるはず。加えて単にモノとネットがつながって終わりではなく、さらにその先の「つながり」を生み出すことで企業にとって、社会にとって新しい価値を生み出すことができるのではないか…。
シスコでは、そうしたあらゆるモノ、人、プロセス、データがネットでつながり新しい価値が創造される世界を、「IoT」のさらに先を行く概念として「Internet of Everything(IoE)」と定義。グローバルで「IoE」をその価値を創出するためのソリューションを提供してきた。
現在は分断されているが、つながることで新しい価値が生まれる領域。企業活動、特にマーケティングの世界で言えば、オムニチャネルの概念が日本でも注目されるように、重要になってくるのが「顧客接点」をつなげていくことだと言えるだろう。
八子氏も「企業活動において現在、つながっていないところの最たる例が顧客接点と言える。特に広告を始めとするメディアを介したコミュニケーションの領域、コンタクトセンターや店舗など人を介在する領域は、多くの企業で分断されたままで、それが顧客にとって、さらに従業員にとって、心地よい環境づくりを阻害している」と指摘する。
しかし、メディアを介したコミュニケーションを行うプログラマティック領域とコンタクトセンターや実店舗など、従来、フェイストゥフェイスで行われてきた人が介在するコミュニケーションの領域の、双方にデジタルのテクノロジーが浸透してきている今、各チャネルから取得できるデータを統合することなどにより、全ての接点をシームレスにつなげていくことが現実的に可能になっている、と八子氏。
また「顧客接点のフロントエンド部分とバックエンドをつなぐ。さらには、フロントエンド部分の各チャネルをつなぐ。シスコは“つなぐ”ための独自の考え方、ノウハウ、ソリューションを持っている会社なので、私たちだからこそマーケターの方に提案できる価値を、セッションを通して伝えていきたい」と話す。