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ストーリーは過去から現在に続く道
今年ようやく続編の公開が決まった「スターウォーズ」。最初に公開されたエピソード4から6までの三部作は、太古から語られている神話の構造と同じという指摘があります。人間の求めるストーリーや物語というのは、ある一定の型があることは文化人類学的にもよく知られていますし、そのような研究本も山ほどあります。最近、ビジネスやマーケティング界隈でも「ストーリー」という言葉が増えて、本のタイトルでも目にすることが多くなりました。
自分も「アドバタイザーからストーリーテラーへ」という言葉を使いますが、その際のストーリーや物語というのは、単に誰かに商品やサービスを売り込むための広告から、「人が話を聞いてくれるような起承転結をもった価値ある情報の形」への変化を捉えたものです。
「スターウォーズ 新たなる希望」でルーク・スカイウォーカーがオビワンと会うことでフォースを知ってジェダイの騎士を目指すように、そこでのストーリーという言葉は何か宿命というべき運命を背負ったもののように聞こえます。商品でいえば、それがどこで誰によって作られたかによってすでに運命付けられているように。
たとえば、「みずみずしく美味しい有機野菜のレタス」が広告コピーならば、「軽井沢の高原で丁寧に有機栽培された朝一番とれたてのレタス」がストーリー。両者のイメージは、八百屋の店先か、家族の朝の食卓のシーンぐらい違うでしょう。
ストーリーというのは、そういう意味で過去から現在に続く道であり、初めて出会った話でもどこか懐かしい感じがするものです。だからこそ、ある意味でストーリーとは過去の反復や回帰です。そこで主題になるのは、文化や歴史が持つ教訓やメッセージであることが多いです。アナキンが選択した道を同じようにルークも取りますが、結局それは違う形の解決だったりします。