日本コカ・コーラ、体験動画をシェアしてツイート数が昨対比290%増——「デジタルマーケティング年鑑2015」事例解説①

デジタルマーケティングの潮流を、2013年後半から2014年に実施された代表的な事例を通して解説する書籍『デジタルマーケティング年鑑2015』。その発刊を記念して、AdverTimesでは書籍に収録されている112社の事例の中から10の事例を厳選して紹介。今回は日本コカ・コーラの「飲めば爽快!スプライト」キャンペーンを解説する。

日本コカ・コーラの炭酸飲料「スプライト」は、クリエイティブアイデアに「瞬間爽快」という言葉を設定し、2014年に「飲めば爽快! スプライト! 」キャンペーンを実施した。ショッピングカートに乗り込み、水しぶきを浴びる体験装置「スプラッシュカート」を使用したイベントを全国各地で実施し、その体験動画をWebサイトにアップするという企画だ。

テレビCM:スプラッシュカート夏編

リアルイベント:TVCMでお馴染みの「スプラッシュカート」を実体験。スプラッシュの瞬間をスーパースロームービーで撮影。

前年に作成した動画「スプラッシュ自販機」はYouTubeのTrueView広告に出稿したこともあって、2013年にYouTube上で最も人気があった動画広告で1位を獲得(2013 YouTube Ads Leaderboard)したものの、Twitterのバズワードにまではならなかった。また、体験動画の撮影手法にこだわったため、サイトへアップロードするまで1週間かかり、体験者がSNSで拡散するための誘導に課題を残していた。

そこで今回の施策では、水しぶきにも耐えられるカメラ「GoPro」で撮影した体験動画を、製品ロゴを入れたVineの6秒動画にすぐに加工し、10分以内に公式サイトにアップ。体験者は撮影されたスーパースロー動画を当日中に閲覧できるなど、スピード感を意識した。

撮影した動画を会場で編集し、即座にVineアカウントでアップ。体験者はすぐさま動画を入手し拡散できる仕組みにした。

スプライトブランドサイト(左)。イベント当日の動画はブランドサイトでも閲覧できるようになっていた。Vineサイト(右)。ツイッターの子会社であるVineを使うことでTwitterのタイムラインにサムネイル付きで動画を表示することが可能。

その結果、Vineの動画は84万回再生、5200シェアに達し、Twitterへの投稿も13年の「スプラッシュ自販機」が8540だったのに対して14年の「スプラッシュカート」は2万4000を超えた。スプライト公式TwitterアカウントのVine動画付きツイートは、Twitterの広告商品「プロモツイート」の効果もありエンゲージメント率が業界平均の倍となる10%に到達。最終的にはインターネット経由のキャンペーン認知率をテレビCMと同程度に上げることができた。

指定ワードのツイート数昨年度比較

期間中の合計ツイート数が「2014 年スプラッシュカート:2 万4771」「2013 年スプラッシュ自販機:8540」となり昨年のツイート量に比べて290%増加した。

「スプラッシュカート」キャンペーン認知経路

インターネット経由がテレビCM とほぼ同等の認知経路となった。※キャンペーン認知者を100 とした場合の割合。複数回答。

取材協力

廣井 紀彦 氏
マーケティング本部 IMCマーケティング Iマーケティングマネジャー

こちらの記事は、3月初旬に発刊される「デジタルマーケティング年鑑2015」(宣伝会議・刊)より一部抜粋しました。事例をご覧になりたい方に向けた書籍です。
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