日本航空、ランディングページの改善でチケット購入率が10%アップ——「デジタルマーケティング年鑑2015」事例解説⑧

【前回記事】「東急ハンズ、顧客ニーズの先にあったオムニチャネル化——「デジタルマーケティング年鑑2015」事例解説⑦」はこちら

デジタルマーケティングの潮流を、2013年後半から2014年に実施された代表的な事例を通して解説する書籍『デジタルマーケティング年鑑2015』。その発刊を記念して、AdverTimesでは書籍に収録されている112社の事例の中から10の事例を厳選して紹介。今回は日本航空の「ランディングページの改善」について解説する。

日本航空はアドテクノロジーを駆使し、CVR(成約率)アップに成功している。同社ではこれまでもDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)を利用して広告の配信精度を高め、良質な見込み顧客をランディングページ(LP)へと送客していた。そこで、LPもユーザー毎に最適化することができれば、コンバージョン(購入)をさらに増やすことができるのではないかと感じていた。

LPの改善にあたっては、15件ほどのクリエイティブ案を4案に絞り込んだ上で実際に出し分けを行い効果検証した。その結果、もっとも高い効果のあったクリエイティブは、従来のLPに比べCVRが10%アップし、また新規顧客獲得率も18%アップした。

「今までは企業側の“こうだろう”という意向が入ってしまったが、お客さまの感覚に近い“集合知”を活用することで、これまでになかったアイデアの着想を得た」(関口氏)。例えば、企業側としては機体がきれいに写ったビジュアルを使いたいと思いがちだったが、夕日をバックに逆光で撮影された機体のほうが良い成果につながることなどが明らかになったという。

左から一番目:元のオリジナルLP。
左から二番目:ファーストビューにアクション動線を配置したLP。チケット購入率が10%上昇した。
左から三番目:ファーストビューに沖縄などの観光名所を入れたLP。チケット購入率だけでなく、新規顧客獲得率が18%上昇した。
左から四番目:ファーストビューにキャッチコピーを入れたLP。

この結果を受けて、次の段階として良質な見込み客をDSPで集めDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)で属性分析し、その分析結果とLPを掛け合わせた20パターンのCVR検証を行い広告展開した。今後もアドテクノロジーを活用しながら、デジタル広告の精度をさらに高めていく考えだ。

DMPのセグメント別にLPを最適化し配信

取材協力

関口 和生 氏
日本航空 Web販売部Web・コールセンター企画グループ

こちらの記事は、3月10日に発刊された「デジタルマーケティング年鑑2015」(宣伝会議・刊)より一部抜粋しました。事例をご覧になりたい方に向けた書籍です。
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