すかいらーく、アプリDL数が3カ月で150万 開発費は2週間で回収——「デジタルマーケティング年鑑2015」事例解説⑨

【前回記事】「日本航空、ランディングページの改善でチケット購入率が10%アップ——「デジタルマーケティング年鑑2015」事例解説⑧」はこちら

デジタルマーケティングの潮流を、2013年後半から2014年に実施された代表的な事例を通して解説する書籍『デジタルマーケティング年鑑2015』。その発刊を記念して、AdverTimesでは書籍に収録されている112社の事例の中から10の事例を厳選して紹介。今回は、すかいらーくのアプリ「ガストアプリ」について解説する。

さまざまなレストランチェーンを展開するすかいらーく。同社の主力ブランドの一つが、ファミリーレストラン「ガスト」だ。その店舗数は、2014年12月時点で1353店舗に上っている。

ガストはこれまでも「ステーキガスト」や「おはしカフェ・ガスト」といった専門店や、他店と差別化した高級カフェメニュー、デリバリーなど利用者のニーズに対応するさまざまな取り組みを行ってきた。同社 マーケティング本部の神谷勇樹氏は「利用者の嗜好がより細分化してきた」と話す。

プロモーション媒体においても、主に活用している新聞折り込みチラシでは20~40代にしっかりリーチできておらず、従来のマスアプローチからセグメンテッドアプローチへ、舵を切る必要があった。

そこで立ち上げたのが、公式アプリ「ガストアプリ」である。アプリ限定クーポンや豪華賞品が当たるキャンペーンを行い、公開から3カ月で約150万ダウンロード、数億円の売り上げ増加(純増ベース)に貢献した。アプリでさまざまな情報を配信し、店舗へ送客した結果、開発費は2週間程度で回収したという。

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アプリの役割として期待しているのは、顧客一人ひとりの理解、そして適切なタイミングで適切な提案をすることだ。そのため、アプリやクーポンの利用履歴、店舗への来店履歴など、さまざまなデータを分析して、情報を配信する仕組みを独自につくっている。

近年、日本企業では顧客ごとのコミュニケーションを自動で行う「マーケティングオートメーション」の導入が進んでいる。ガストもまた、顧客の分析データをもとにその実現に向け、細分化した利用者ニーズに応えていく考えだ。

Twitter 公式アカウントで「ガストアプリ」を案内。モバイルでのコミュニケーションを前提とし、モバイルファーストを実践している。

 

取材協力

神谷 勇樹 氏
マーケティング本部 ディレクター

こちらの記事は、3月10日に発刊された「デジタルマーケティング年鑑2015」(宣伝会議・刊)より一部抜粋しました。事例をご覧になりたい方に向けた書籍です。
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