視線位置にディスプレイ 視認性の高さに強み
新幹線・在来線・私鉄・地下鉄などのターミナル駅である名古屋駅。近年は周囲の再開発も進み、さらには駅と連結したジェイアール名古屋タカシマヤをはじめとした商業施設の好況により、駅利用者数が増加の一途をたどっている。
このような背景を受け、JR名古屋駅構内の交通広告に対する期待は高まっている。
そして東海道新幹線開業50周年を迎えた2014年10月、JR名古屋駅の中央コンコースに計100面のデジタルサイネージを設置した「シリーズ・アド・ビジョン名古屋」の広告放映がスタート。
JR名古屋駅の中央コンコースは、東海道新幹線から在来線の各改札口を東西に結び、市営地下鉄やジェイアール名古屋タカシマヤの入り口に続く通路で、その距離は直線で約175メートル。コンコースの両側に25本ずつある50柱100面にデジタルサイネージを設置し、コンコースのどちらを歩いても目に飛び込んでくる。
最も大きな特長は、その視認性の高さにある。流動する駅利用者の視線位置と同じ高さに60インチの液晶ディスプレイを設置。利用者が通り抜ける時間を2分30秒と想定し、通行時間とほぼ同じ2分30秒ロールで放映している。
飲料×アプリ×コンビニ 高いアクション率を達成
「シリーズ・アド・ビジョン名古屋」の活用事例の一つに、デジタルサイネージとスマートフォンを使用した実証実験がある。
参画したのは凸版印刷、キリンビールマーケティングとサークルK サンクス。交通広告からスマートフォンを連動して、実店舗へと誘導するO2O2O(OOH toOnline to Offline)※施策だ。
※交通広告や屋外広告など、家庭以外の場所で接触するメディアからインターネット、さらに実店舗へと誘導して購買を促す施策。
具体的には、「シリーズ・アド・ビジョン名古屋」にBluetoothタグを設置。デジタルサイネージを見た利用者のスマートフォンで電子チラシサービス「Shufoo!」のアプリを起動するとBluetoothタグからプッシュ配信された情報を受信。キャンペーンサイトに誘導する。
サイトでクーポンコードを入手した利用者がサークルK・サンクスの店舗でアンケート回答の謝礼としてキリン一番搾り生ビール(350㎖缶)無料引き換えクーポンを発券する、という仕組みだ。
新しい取組みでありながら、結果はキャンペーンサイトへの流入者は約1500名。そのうち80%以上のユーザーがクーポンを発券するという高いアクション率を達成した。
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