<登壇者>
- ガシー・レンカー・ジャパン デジタルマーケティング部 シニアマネージャー 藤原 尚也 氏
- サントリー食品インターナショナル 食品事業本部 宣伝部 課長 江藤 雄資 氏
マス広告では届きにくいところにも届く、新しいアプローチ
——コンテンツマーケティングに取り組もうと思われた背景や、その効果を教えてください。
藤原:プロアクティブは、ニキビケア商材として11年連続で売上1位となっております。2001年に日本で販売を開始してから、最初はニキビとプロアクティブの関係が近い関係にあり売上も好調に推移していましたが、2011年頃から、「ニキビ」と「プロアクティブ」のキーワードの検索ボリュームに差が出始め、ニキビというテーマにおいてプロアクティブが話題に出ていないことが判明しました。そんな状況を改善するべく、ニキビに本気で悩まれている方が必要としている情報を提供するサイトとしてつくったのが「ニキペディア」です。現在、ニキペディアからのCVRは2.4%。1週間にだいたい8万ユニークユーザーがあるので、ほとんど宣伝広告にお金をかけずにSEOを中心したプロモーションで、人を集め、販売している状態です。
また、当社では、PCからスマートフォンを重視する戦略・考え方にシフトしています。現在のメディアコストは、テレビCMが9割、デジタルは1割ほどですが、実際には7割がデジタルで、3割が電話で購入している状況があります。加えて、デジタルの中でも、6割がスマートフォン経由で注文していることが分かったので、昨年12月にスマートフォンサイトをつくり直し、よりスマートフォンに最適化されたページで見られるにしています。
江藤:私は現在、「伊右衛門」や「ペプシ」などの広告に携わっていますが、それに加えてデジタルの推進グループも兼務しています。そこでデジタルメディアを基点とする、「世の中をアッと驚かせるもの」をつくるというチャレンジを行ったりもしています。昨年の「忍者女子高生」の動画がその一例です。これは世界で約700万回再生され、マスメディアでも多く取り上げられました。ただ正直にお話しすると、購買に直結した結果は残せませんでした。しかし、一方で調査を実施したところ、若年層で特にこの動画が広まる前と後でブランドの銘柄再生や好意度に良い差が出ました。ロングセラーブランドとして、動きがほとんど無かった「C.C.Lemon」のブランドアクティビティを上げることには寄与したと思います。
そして、今年4月より開始している「C.C.Lemon元気応援プロジェクト」では、“キミだけの応援歌”をテーマに、タレントの松岡修造さんがニックネームを呼びかける100パターンの「元気応援SONGムービー」を制作しました。「C.C.Lemon」の製品コンセプトである「元気応援飲料」という点に着目し立ち上げました。動画が話題になるだけでなく、購買に寄与できるか、コンテンツマーケティングの可能性を探るチャレンジです。