湖池屋は8日、スナック菓子ブランド「スコーン」の新ラインアップ「ドはまりスコーン」の第4弾商品「濃厚台湾まぜそば味」を全国のコンビニエンスストアで発売した。
プロモーションでは、第1弾から一貫して、「思わず指まで舐めたくなるほどの濃厚さに“ドはまり”しちゃう」というコンセプトを伝えるWebムービーを制作している「ドはまりスコーン」。
今回は、指をなめると音が鳴る楽器「ゆびなめシンセサイザー」を開発し、その演奏シーンを収めた動画を公開した。ゆびなめシンセサイザーは、指をなめると「ドはまり」「スコーン」「カリッと」「サクッと」の4種の音が鳴る。
指についた粉をなめながら、濃厚な味や形状、食感に加えて、音でも「ドはまりスコーン」を楽しんでもらいたいとの思いで企画された。
「ドはまりスコーン」は、「スコーン」ブランドのリテンションに加え、アクイジションも重要な目的として展開されている。「『スコーン』ブランドの主要な販売チャネルはスーパーマーケットやドラッグストアで、購入層は主婦層を中心とした女性だが、喫食者は男性が多いという実態がある。コンビニ限定商品の『ドはまりスコーン』は、コンビニユーザー全体に占める割合が最も高い20~30代の男性がターゲット。既存商品よりも、さらに濃厚な味わいと、それをストレートに表現したパッケージを通じて、喫食者への直接アプローチを図っている」とマーケティング部の担当者は話す。
テレビCMもユニークな表現のものが目立つ同社。「ドはまりスコーン」で一貫してWebムービーを活用している理由については、「企業からの一方的な商品訴求では、情報の多い現在、生活者の真の商品理解につなげることは難しい。生活者発信で商品の魅力を伝えてもらうことが重要だ。特に『ドはまりスコーン』は新しいラインアップということもあり、まずはより多くの生活者に認知してもらう必要があった。そこで、思わずコメントしたくなるようなコンテンツを提供して生活者を巻き込み、口コミで商品の魅力を伝えたいと考えた。生活者がコンテンツを気軽に拡散できる点で、デジタルコミュニケーションは最適な選択肢。中でも、ターゲットの20代男性が非常に高い頻度で閲覧・シェアするWebムービーを選んだ」(前出の担当者)と説明する。
第1弾~第3弾商品のプロモーションで制作した動画は以下の通り。
【第1弾】
2014年9月「濃厚カルボナーラ味」
「ドはまりスコーン Hands-Free System」
【第2弾】
2014年11月「濃厚デミハンバーグ味」
ドはまりスコーン Webシネマ「Killer Finger(同時公開:妖怪ゆびなめ)」
【第3弾】
2015年2月「濃厚チキン南蛮味」
「あなたは大丈夫?本命なめと義理なめの違い」
Webムービーシリーズは、一貫して、ユーザーがシェアしたくなる「デジタルの文脈」を意識したコミュニケーション設計を行っているという。「デジタル上で生活者が話題にしたくなる、シェアしたくなることが『デジタルの文脈』。例えば、ニコニコ動画などでは、『ものすごい技術を使っているけれども全く役に立たない』『役に立たないけれど何だか面白い』という制作物がシェアされる『技術の無駄遣い』という文脈がある。この文脈と、商品の特徴である『指までおいしい』を掛け合わせたのが、第1弾の『Hands-Free System』や、今回の『ゆびなめシンセサイザー』」(同)。デジタルの文脈を押さえたWebムービーを継続的に生み出していくことによって、生活者の中に「ドはまりスコーンWebムービーシリーズ」を根づかせ、ムービーのファンになってもらい、最終的にはブランドのファンになってもらう狙いがある。
さらに今回、湖池屋はゆびなめシンセサイザーの制作方法を、ソフトウェア開発プロジェクトの共有サービス「GitHub」上で公開している。目的は「徹底したリアルの追求」と「メイカームーブメント」の2つだという。「ゆびなめシンセサイザーを開発し、動画を公開するだけでは、生活者から『フィクションなのではないのか』という疑問を持たれてしまう懸念がある。制作方法を公開することで、ゆびなめシンセサイザーがリアルであることを伝えられると考えた。結果的に、『湖池屋が真面目にバカバカしいことをしている』『湖池屋、本当に作りやがったw』という驚きを生活者に与え、より『技術の無駄遣い』の文脈に則ることができた。また、メイカームーブメントでは、制作したモノだけでなく、制作方法も含めて公開する文化がある。企業がその文化に参加することで、生活者との距離を縮められるのではないかと考えた。1人でも多くの人が、ゆびなめシンセサイザーを制作し、『ゆびまでおいしい』というブランドの世界観を体験してもらえたら」(同)と期待をのぞかせた。
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