2014年「土用の丑の日」の投稿ランキングに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方

「広報会議」2015年8月号Facebookコンテンツ入門より転載

このコーナーでは企業や団体が運営するFacebookページの投稿内容などのランキングと、川上徹也さんによる解説をもとに、『広報会議』読者の皆さまへSNS運営のヒントを提供していきます。今回は2014年7月29日のFacebook投稿ランキング(食品・飲料カテゴリー)から、土用の丑の日にどんなコミュニケーションを展開できるか、そのヒントを探ってみましょう。

なお、このランキングデータを提供している「Belugaポータル」では、3000超のFacebookページを登録しており、月別または日別でページ全体のいいね!数やその推移、個別の投稿内容への反響などをスコア化することができます。投稿ランキングの指標となるのは①エンゲージメント率(ENG、②~④の合計をファン数で割った数値) ②いいね!数 ③コメント数 ④シェア数の4点。以上からポイントを算出して、ランキングが決定します。

(ユニークビジョン 代表取締役 白圡良之)

Pick UP!

「この投稿には、『ちょっとしたうんちく』『簡単な質問』『商品keyword』『レシピサイトへの誘導』という、4つの要素が盛り込まれています」

開設は2011年5月。Webチーム3人で企画運営を行う。新商品やアピールしたいブランドを、Web担当者がブランド担当者と一緒に相談しながら決めている。社内で運営しているため、その日の天候や行事などに合わせて、投稿内容を変更することができ、リアルタイムでの対応が可能な体制をとっている。

ストレートな投稿よりも、ツッコミを入れやすい投稿を

今回のテーマは、「土用の丑」です。夏は意外と記念日になるような日が少なく、ただただ暑い日が続くのでFacebookの投稿も単調になりがちです。そんな中「土用の丑のうなぎ」というのは分かりやすいアイコンになるので、特に飲料系の商品を扱う企業にとっては重宝する話題です。

2014年の土用の丑の日(7月29日)の食品・飲料系企業のカテゴリーに絞ったFacebook投稿ランキングを見ていきましょう。やはり上位を見ていくと、うなぎを扱った投稿が多く目につきます。その中で際立っていたのが、2位にランクインしたサッポロビールの投稿でした。

レンコンの上にうなぎをのせた創作料理風のおつまみとヱビスビールの写真を投稿。メッセージは「今日は土用の丑の日。一説によれば『う』のつくものを食べると夏負けしない風習があったそうです。うなぎ以外で『う』のつくものって何でしょうね? まずは、うなぎとヱビスを飲みながら考えましょ!」でした。

これに対して、多くの人から色々な「う」がつく食べ物(「うに」「うどん」「牛」「うちのご飯」などなど)のコメントが寄せられてウォールは大いに盛り上がりました。

蒲焼や鰻重などストレートな表現の写真素材が多く使われている他社の投稿に比べ、サッポロビールの投稿は写真もひとひねりしていますし、一般読者が参加してコメントをしやすい投稿になっている点が反応が多かった理由でしょう。

このように、ストレートな投稿だけでなく一般読者からツッコミを入れてもらいやすい内容の投稿にすることは、Facebookページ自体のエンゲージメント率を高めるためにはとても有効な手段です。どうすれば、コメントを残してもらいやすくなるかを考えて投稿してみましょう。

「土用の丑」は、調べてみると、いろいろな起源の説があります。ツッコミどころのあるうんちくを披露するのもおもしろいかもしれませんね。ちなみに、土用の丑の日は、2014年は1度でしたが、2015年は7月24日と 8月5日の2度ありますので、お間違えなきよう。

データ提供:Belugaポータル


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前回の記事「「母の日」の投稿ランキングに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方」はこちら
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川上徹也(かわかみ・てつや)
湘南ストーリーブランディング研究所 代表

大手広告会社を経てコピーライターとして独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者としても知られる。近著に『物を売るバカ』(角川oneテーマ21新書)がある。

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