電通イージス・ネットワーク傘下のカラは21日、米国では2018年に、オンライン広告費がテレビ広告費を40億ドル上回り、最大のメディアになる見通しを発表した。またオンライン広告は16年に、世界全体の広告費シェアで4分の1以上に達するという。カラが毎年2回発表する世界の広告市場推計に基づく予想。調査対象59カ国中、英国やアイルランド、カナダ、オーストラリアなど10カ国では、すでにオンライン広告が広告メディアで1位となっている。
日本の2015年の広告市場全体の成長率は、ことし3月に発表した前年比0.9%増から0.5ポイント上方修正し、同比1.4%とした。消費税増税が2017年に延期になった点、円安効果で15年上半期の日本企業の業績が好調であった点を加味した。アジア太平洋地域の14市場では、インド・フィリピン・ベトナムが15年・16年ともに二ケタ成長を見込む一方、インドネシア・香港・台湾・マレーシアなど7市場を両年ともに下方修正した。
2015年の世界全体の広告市場は、前回から0.6ポイント下方修正し、4.0%増の5290億ドルとした。成長率を下げた要因は、広告市場世界1位の米国が寒波で消費が低迷したことや、同第2位の中国が経済不安に陥っていることなど。ロシアの減速も影響した。16年は、UEFA欧州サッカー選手権、ブラジル・リオ五輪、米大統領選といった好材料があるものの、成長率を0.3ポイント下げ、15年比で4.7%増と予測した。
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