プロジェクトマネジメントを成功させるための3つのフェーズ(前篇)

デジタル分野の新しいソリューションや考え方が生まれ、統合キャンペーンやデジタルキャンペーンなどのより複雑度が高いプロジェクトが増えてきた。職種の違うメンバーが集まり、一つの物事を進めていくには、リーダーの進行管理能力だけでなく、チームを束ねてブーストしていく推進力が問われる。そこで、こうしたプロジェクトマネジメントを実行する際のポイントについて、宣伝会議が11月9日に開講する「プロジェクトマネジメント実践講座」の講師であるフロンテッジ デジタルマーケティンググループ グループ長の村上知紀氏に聞いた。

フロンテッジ ソリューション本部 デジタルマーケティンググループ グループ長/シニアディレクター 村上 知紀氏

見回してみると「プロジェクト」ばかり・・

画像提供:shutterstock

あまり気づいていないかもしれませんが、私たちは、あらゆるプロジェクトに囲まれています。仕事上の案件はもちろんのこと、結婚や転職や受験・・ありとあらゆるものがプロジェクトです。これらに共通するものはなんでしょうか?

それは「ゴール」があることです。一旦ゴールを設定すると、それはプロジェクトになります。

たとえば、毎日3食おにぎりを食べる30日チャレンジを設定すると、日常生活がプロジェクトになります。筆者も個人的に、「ワールドツアーin東京」と題して、1か月の間に東京にある世界中のレストランを食べ歩く、というチャレンジをやったことがありますが、これも1つのプロジェクトです。

少し前の実例ですが、「土曜日に発売される商品を60個購入して、火曜日の朝11時までに届ける」というゴールがありました。月曜日は休日で、オンラインでは配送が間に合わない、なのでリアルの店舗で購入しなければいけないが1つの店で購入するのは10個まで。依頼を受けたのは2日前という、非常に厳しい条件でした。

達成が簡単なゴール、何度も達成しているゴール、1人で完結するゴールは、あまりプロジェクトをマネージするためのスキルや考え方は必要とされませんが、達成までの難易度が高いゴール、これまで経験がないゴール、かつ1人では達成できないゴールを達成するためには、プロジェクトをマネジメントするためのスキルや考え方が必要になります。

特に、マーコム、広告、デジタルマーケティングの世界では、統合キャンペーンやデジタルキャンペーンなど、より複雑度が高くこれまで経験がないプロジェクトが増えるにしたがって、プロジェクトマネジメントのスキルや考え方が必要となってきていると感じます。

読者のみなさんの感覚はいかがでしょうか?営業の人間がデジタル系の案件がよく理解できてないので、丸投げをしてきて納得できないまま仕事をしていることはないでしょうか?あるいは、あまり経験のないデジタル系の外部の協力会社をうまくつかいこなせていないと感じることはないでしょうか?プロジェクトに関わっているが、自分の役割もよく分からないし前に進んでいる感覚が持てない、ということはないでしょうか?

こうした感覚は、全てプロジェクトマネジメントの課題です。

ぜひ、プロジェクトマネジメントのスキルや考え方を自分のものにして、ゴールを達成していただければと思います。非常に基礎的な内容ですが、プロジェクトマネジメントで絶対におさえないといけない点を2回にわけて3つのフェーズに分けてみていきましょう。

次ページ 「プロジェクトマネジメントで絶対におさえるべき点」へ続く

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