「ねとらぼ」編集記者・太田智美さんに直撃「広報じゃないと発掘できない話を!」はこちら
ローカルメディアには、最後まで読んでもらえるような工夫が必要
——柿次郎さんの今の仕事内容を教えていただけますか。
バーグハンバーグバーグでは、メディア事業部長という肩書きがあるのでコスト管理や、スタッフの仕事をチェックする管理業務も一応しています。ただ現在は企業のオウンドメディア「ジモコロ」(運営:バーグハンバーグバーグ)の編集長業務が大半を占めてますね。2:8ぐらいの割合でしょうか。ジモコロに関しては、個人的に興味がすごくある仕事なので熱量高く取り組んでいます。それこそ、人生で一番ここが頑張り時だと思っていて。
ジモコロは地方の情報を中心に扱うローカルメディアの位置づけで、月に12本〜14本の記事を配信しています。テーマは、「仕事」と「地元」。月2本は地方の必ず特集記事を扱うようにしているんですが、フットワークの軽い東京近郊のインタビュー記事を量産したり、敷居が低くて暇つぶしにちょうどいいようなイラスト系のコンテンツを挟んだりなど、バランスに気をつけています。
ひとつ、ジモコロならではの指針があって。弊社で運営している「オモコロ」のようなシュールなおもしろさではなく、“好奇心のおもしろさ”を軸においてます。地方ならではの一次情報って好奇心が重要だと思うので、シュールな表現は1〜2割くらいまぶすぐらいがちょうどいいんじゃないかと。間口は広く、読み進めると読者の好奇心が反応するような「深さ」を出せるのが理想ですね。
そもそも、地方の情報(ローカルメディア)って自分に縁のない土地だったらあまり読まれないんじゃないかなぁと思っていて。移住や街づくりに関心がある層は極わずかで、大半の人は目の前の生活に追われているわけじゃないですか。かつ、情報量は年々増えていて、Webメディアの記事接触って一瞬だと思うんです。だからこそ万人に興味を持ってもらえるようなタイトルをじっくり考えるようにしていますし、最後まで読んでもらえるような工夫を施さないと意味がないと思っています。そういう意味では、地方の情報に対して感度の高いファンを抱えているローカルメディアとバーグハンバーグバーグの中間のポジションをつくるのが理想ですね。