箱根路を行く!東洋大の駅伝広報(1)大手町で号砲一発!選手と併走で「数秒」にかける

月刊「広報会議」にて「大学広報ゼミナール」を連載中、東洋大学広報課の榊原康貴氏が箱根駅伝の裏側を広報の視点でつづります。

2016年1月2日5:44am
大手町読売新聞本社前で撮影スタンバイが完了した広報課員からメールが届く。

「東京箱根間大学駅伝競走(通称:箱根駅伝)」スタートまであと2時間。朝日が昇るまでしばらくある暗がりの中、私たち広報課の駅伝広報がスタートします。

1区から3区へ急行!広報課メンバーも走る!

広報課の駅伝広報は当日の実況中継をいかに正確に誤差無く伝えるかがポイントです。かつては、公式HPで細かく更新していたのですが、現在は速報性や情報拡散、本学サーバーの負荷分散を考えFacebookを活用しています。

【陸上競技部】箱根駅伝本日の第92回東京箱根間往復大学駅伝競走往路当日エントリーです。<1区>上村和生 (経済・経済4年)<2区>服部勇馬 (経済・経済4年)<3区>服部弾馬 (経済・経済3年)<4区>小笹椋 …

Posted by SPORTS 東洋大学/ Toyo University on 2016年1月1日

取材機材もデジタル一眼とスマートフォンの併用の軽装、とにかく一刻も早く選手たちの写真を大学に送ることを主眼としての取材活動になります。

情報更新の基地となるのは、大手町から15分程度で行き来できる、東洋大学白山キャンパスの広報課オフィス。各区間取材担当とは別に、記事作成やFacebookやHPへのアップ、各種情報収集などを専門に担当する課員が7:00から広報課で待機しているのです。

時折、陸上競技部マネージャーから区間メンバー変更など広報課に最新情報が送られてきます。「山梨のニャイロくんは2区??」「青学はやっぱり神野くんで来るか!」とか「(取材ポイントの)通過が予想より早くなりそうだから配置急ごう」とか、選手たちの慌ただしさとは別に私たちもメールでのやり取りが活気付いてきます。

当日の取材担当の広報課メンバーは私以下6名。
広報課にWeb更新担当が1名、スタート、1区、2区、3区、4区、5区と配置した場合、当然人数が足りなくなります。そのため例えば1区で撮影したら急いで3区に行く、など綱渡り的な移動で次の撮影ポイントへ急行します。

ギリギリに着いても沿道は人が多く、なかなか選手を上手に撮影することはできません。撮影方法も流し撮りをするか、シャッタースピードをどうするか?広報課としての基礎的な撮影術を習得するいい機会にもなります。

それぞれ各区間の去年の状況などを共有しながら取材を進めていくこともとても大切になります。

それはまるで、実際に走る選手たちがそれぞれの区間の特徴を、前年に走った選手から情報を引き継ぐことにとても良く似ています。

まさに私たちも選手たちと一緒に伴走している気分です。

沿道でご覧になった方ならお分かりと思いますが、選手たちの駆け抜けるスピードはとても速く、目の前を通り過ぎるのは僅か数秒です。少しの遅れも許されません。一瞬を逃さないように、その数秒にかけて私たちも取材に挑みます。

色とりどりの応援旗と「駅伝ファン」の変化

私は、例年早めに大手町に着き、各大学の応援状況を見学していますがこれがとても興味深い。

応援場所は大手町から虎ノ門方面に向けて各大学に割り当てられていて、色とりどりの応援旗が沿道にたなびいています。

【陸上競技部】箱根駅伝7時現在のスタート付近の様子です。いよいよ08時00分、スタートの号砲が鳴らされます。皆さま、応援よろしくお願いします!選手たちと一緒に箱根路を鉄紺色に染上げましょう!

Posted by SPORTS 東洋大学/ Toyo University on 2016年1月1日

各大学の校歌や応援歌の大合唱の中、皆さん選手たちの通過を今か今かと待ち構えています。こうした応援風景に各大学の校風を感じることができます。

今年の東洋大学は有楽町駅から程近くの第一生命農林中金ビル前でしたが、私が到着した時はまさにスクールカラーの「鉄紺」一色!広報課で作成した応援小旗や応援マップを手にした方たちで例年よりもにぎわっていたように感じます。

前評判どおり、青学は強い、駒澤も手ごわい。11月の全日本駅伝では本学が優勝しましたが、この勢いを箱根につなげたい。そんな気持ちで応援ポイントに集まった方が多かったのではないでしょうか。

ここ数年の変化では、こうした鉄紺の浸透もあるのですが、応援場所に集まってくる一般の駅伝ファンの皆さんの存在は特筆するものがあります。卒業生や教職員、学生は多いのですが、それよりも東洋大学の陸上競技部を応援してくださるファンの方々がとても多くなっているのです。

ある意味、かつて駅伝を応援する人のイメージは、やはり卒業生が中心であったと思いますが、そうではなく、駅伝そのものの楽しみ方が変わっていているのかもしれません。このことについては、後に詳しく書きたいと思います。

さて、こうしてついに号砲一発。
8:00am大手町のオフィスビル群に鳴り響く大歓声の中、選手たちは一斉に箱根路を目指します。

1区の上村和生(4年)からスタート!

(つづく/次回は1月7日夕刻更新予定)



榊原康貴(さかきばら・こうき)
東洋大学 総務部広報課 課長

東洋大学で教務、入試、専門職大学院設置、就職・キャリア支援、通信教育などを担当。2012年6月より広報課へ。学校法人全体の広報活動や大学ブランディングに注力。15年3月に修了した大学院では、学生不祥事に関わる大学の責務や危機管理について研究。日本広報学会所属。

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