電通2015年決算 海外比率54.3%、デジタル化比率34.0%に

電通が15日発表した2015年12月期決算で、1~12月(暦年ベース)の売上高は、前年同期比1.4%増の1兆5601億3600万円だった。経済産業省の統計では2015年通年の国内広告業の売上高は、同比2.7%増の5兆9249億2700万円で、売上高の伸びは市場全体を下回った。国際会計基準への変更で15年12月期は会計年度9カ月の変則決算だが、暦年での業績も発表された。

売上総利益は同比0.7%増の2266億2200万円、営業利益は同比3.9%増の561億3300万円、収益力を示すオペレーティング・マージンは、前年から1.8ポイント増の26.0%となった。当期純利益は同比8.5%減の609億300万円だった。

連結ベースでは、15年1~12月期の売上高は前年同期比7.5%増の4兆9908億5400万円、売上総利益は同比12.6%増の7619億9600万円、企業買収による償却費などを除いた調整後営業利益は同比20.3%増の1604億3800万円だった。為替や企業買収(M&A)の影響を除く内部成長率(オーガニック成長率)は前年比1.2ポイント増の7.0%、オペレーティング・マージンは、同比1.4ポイント増の21.1%となった。

連結決算の範囲となる「連結子会社」は760社(国内事業82社、海外事業678社)、「持分法適用関連会社」は58社(国内事業31社、海外事業27社)。持分法による投資利益は前年比37.7%減の45億1500万円だった。

2017年度を最終年度とする中期経営計画の数値目標で、2015年は「売上総利益に占める海外事業構成比55%以上」に対し前年比3.6ポイント増の54.3%に、「売上総利益に占めるデジタル領域構成比35%以上」に対し同比4ポイント増の34.0%と前進した。

デジタル化比率では、国内のデジタル領域の売上総利益が2015年通年で前年同期比22.2%増と拡大した。また、海外のデジタル系広告会社の買収に注力したことが貢献し、内部成長と合わせた海外事業のデジタル領域の売上総利益も同比24.8%増と急伸した。

2015年通年の企業買収件数は同社過去最多となる36件だった。

2015年1~12月の各メディア売上高の動き

※「国内」は経済産業省「特定サービス産業動態統計調査・広告業」より2015年1~12月の合算(12月分は速報値)

【新聞】
電通 前年比15.7%減、960億3600万円
国内 前年比7.4%減、3581億円

【雑誌】
電通 前年比6.8%減、320億5300万円
国内 前年比5.9%減、1037億4100万円

【ラジオ】
電通 前年比2.6%減、140億4800万円
国内 前年比1.4%減、512億2200万円

【テレビ】
電通 前年比3.4%減、6801億9000万円
国内 前年比1.7%減、1兆5191億1200万円

【インタラクティブメディア】
電通 前年比12.2%増、850億3600万円
国内 前年比14.3%増、5615億2200万円
※国内は「インターネット広告」

【OOHメディア】
電通 前年比10.6%増、594億6600万円
国内 前年比0.02%増、2699億1100万円
※国内は「屋外広告」「交通広告」の合算

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