ソフトウェアとハードウェアのつくり手をつなぐプロジェクト
もう一つの試みが、NTTドコモのIoTプロジェクトへの参画だ。NTTドコモは昨年11月、スマートフォンのアプリとBLE(Bluetooth Low Energy)対応のデバイスを連携させるためのプラットフォーム「Linking™(リンキング)」を開発したと発表。
ユーザーは対応サービスアプリと対応デバイスを自由に組み合わせて多彩な使い方ができる。またアプリやデバイスの開発者が開発するためのAPIを公開しているなど、IoT化を推進する取り組みだ。
対応デバイスのファーストプロダクト“Tomoru(Braveridge製)”は縦横3.8cmのミニサイズで、スマホのアプリと連携して光るシンプルな設計のIoTデバイスだ。現在利用できるアプリは10種類以上あり、子どもが親と離れると光で通知する「迷子防止」のほか、傘や鍵などに付ける「忘れ物防止」「天気予報通知」などがある。
博報堂アイ・スタジオが(THQと共同)開発したのは「めざせ!最速リツイートアプリ」。日常的な利便性の高いアプリが多い中、どうしてこのアプリ開発に至ったのかをテクニカルディレクターの田中英明さんはこう語る。
「ユーザーが知りたいことは何か?という観点からツイッターの通知の応用を考えました。使い方もシンプルで、TwitterIDやハッシュタグを入力してデバイスと連携させるだけ。たとえばTomoruだと、イチ押しのアイドルがツイートした瞬間に光が灯り、最速でリツイートすることができます」。
「開発のきっかけは、Linkingというプラットホームを提供するコミュニケーションフレームの設計からでした。開発者に必要な情報を届けることが重要と考え、開発者向けとユーザー向けのサイトを分けて作りました。弊社が開発したアプリは、Linkingの認知を広める一つのツールとして開発したものです。ポップなデザインに加え、アプリとしてのクオリティーにもこだわりました。新しいテクノロジーは機能に偏ってしまって、じつは生活者が使いにくいなんてケースが見受けられます。広告領域で培ったクリエイティブ力が、そんな時に活かされていると思いますね」(シニアプロデューサーの久樂さん)。
300人規模でデジタル領域のスペシャリストが在籍する同社は、Web制作の枠を超え、リアルな場(オフライン)を含む統合的なデジタルマーケティングと、人の心を動かすクリエイティブ×テクノロジーを強みに活動の領域を広げている。
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