ジェイアール東日本企画は5月16日、首都圏エリアの2015年度における交通媒体販売概況について、報道機関向けに説明会を行った。
2015年度は、景気や個人消費が回復傾向だったとされるが、交通広告の出稿に反映されるまでには至らず、厳しい状況が続いた。年間の売上実績は418億9900万円と、前年比98.7%で、2年連続の減少だった。前年比別にみると、上期は100.2%、下期は97.4%で、「とくに3月期の売上低迷が大きく響いた」(交通媒体本部交通媒体局担当局長 星野雅央氏)という。
内訳としては、中づり広告やトレインチャンネルといった「車両メディア」が257億1200万円(前年比97.6%)、駅ポスターや駅構内のデジタルサイネージなどの「駅メディア」が159億1400万円(同100.5%)。
出版広告の減少が大きく響いた中吊り広告、駅ポスターなどが前年割れした一方で、導入路線を拡大して媒体の価値向上につなげたトレインチャンネル、品川駅の通路の大型ディスレプレイなどのデジタルサイネージ領域は伸長した。
「デジタルメディアは、2015年度の全体の売上構成比で23.5%のシェアを占めている。今後、核になるであろうメディアだと認識している」と星野氏が話すように、首都圏のエリアのほぼすべての主要駅で、デジタルサイネージが導入されていることは、広告出稿主にとっても大きなメリットになっている。
今後に向けた新たな取り組みとして、従来のまど上広告枠の3面分に表示される新サイネージ「まど上チャンネル」などの取り組みも紹介。そのほか、クーポンやポイントを付与してリアルの店舗やイベント会場へ送客するといった山手線のチェックイン機能など、ビーコンを活用したO2O施策の強化なども図っていくという。
また同社では、2016年4月より、中小企業庁の補助事業である「ふるさとプロデューサー等育成支援事業(海外版)」を活用し、地域産品を海外に売り出すことにより地域の活性化につなげるプロデューサーの人材育成事業「ふるさとグローバルプロデューサー育成支援事業」を展開している。
同事業では、地域の特色を活かした農林水産物を含む産品をブランド化し、海外に売り出すことによって地域の活性化につなげることを目指すとし、「ふるさとプロデューサー」といった人材を育成することが目的。それにより、中小企業・小規模事業者が行う地域資源を活用した事業を促進し、全国津々浦々の地域や中小企業・小規模事業者の活性化を図っていく。
新しい事業を構想する人材の育成を目的とした大学院である、事業構想大学院大学と提携し、座学や実践的な体験を通じて人材を育成していく予定。
同事業の研修生の応募要項や事前説明会など、詳しくは以下。
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