編集者が「本の未来」をふわっと妄想してみた

『「紙」編集者の逆襲』というテーマで、前回は「メールやLINEが主流の時代だからこそ、手紙が最強である」という説を唱えました。

が、今回はまったく逆の方向性で、紙の本が読まれなくなる未来を妄想して書いていこうと思います。

あくまで妄想なので、事実に基づいてないとか、根拠はなんだとかは言わないでくださいね。 

1時間で読めるプチ電子書籍がブーム

画像提供:shutterstock

20××年–。

誰もCDを買わなくなったのと同様に、ほとんどの人が活字コンテンツをスマホで読むようになりました。

電子書籍、メルマガ、noteなどそのカタチは様々ですが、紙の本を持っている人は街にいません。

今、人気があるのは、1万字程度の電子書籍です。1時間もあれば読めてしまいます。

紙の本で考えると、50ページくらいなので、成立しない薄さですね。

でも、いまはこれくらいが、ちょうどいいそうです。

数年前、紙の本と電子書籍の売り上げが逆転したのをきっかけに、すべての出版社が紙の本の発売日に電子書籍版も出すようになりました。

電子化されてない紙の本をわざわざ書店まで買いに行っていた時代は、もはや昔のことで、その一方、紙にはされない、電子配信限定の書籍が増えていきました。

アマゾンが電子書籍の「読み放題サービス」を開始

ちょうどそんな時でした。

アマゾンがすべての電子書籍を月額980円で読み放題にするという発表をしたのです。

Ken Wolter / Shutterstock.com

多くの出版社は当然反発しましたが、売り上げの多くをアマゾンに依存するようになっていたため、従うほかありませんでした。

また同時に、アマゾンは、ベストセラーを多く持つ、ある超人気作家と直契約し、彼の新作をキンドル限定で発売することも発表しました。

この二つのことがきっかけとなり、多くの人に、「本は電子で読むものだ」という認識が広がっていきました。

それまで紙でしか本を読まなかった50代以上の人も、キンドルなどの端末を買い、電子書籍をたしなむようになりました。

「本より軽くて、字も大きくできる」「本屋にでかける必要がない」と意外にも好評でした。

次ページ 「あの有名実業家が「未来の出版社」を設立?」へ続く

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箕輪 厚介(編集者)
箕輪 厚介(編集者)

1985年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、沖縄県の瀬底ビーチリゾートに内定するも入社前に倒産。就職浪人を経て双葉社に入社。ギャルファッション誌『エッジ・スタイル』の広告営業として、商品開発やイベントなど幅広く仕掛ける。2013年にはネオヒルズ族とのタイアップ企画『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊。発売日に与沢翼が書類送検されるも即完売。Amazon総合ランキングで1位を獲得。2014年から編集部に異動。『サッカー批評』の副編集長をやりながら、『たった一人の熱狂』見城徹、『逆転の仕事論』堀江貴文(共にAmazonビジネス書ランキング1位)などを手掛け、2015年に幻冬舎に入社。

箕輪 厚介(編集者)

1985年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、沖縄県の瀬底ビーチリゾートに内定するも入社前に倒産。就職浪人を経て双葉社に入社。ギャルファッション誌『エッジ・スタイル』の広告営業として、商品開発やイベントなど幅広く仕掛ける。2013年にはネオヒルズ族とのタイアップ企画『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊。発売日に与沢翼が書類送検されるも即完売。Amazon総合ランキングで1位を獲得。2014年から編集部に異動。『サッカー批評』の副編集長をやりながら、『たった一人の熱狂』見城徹、『逆転の仕事論』堀江貴文(共にAmazonビジネス書ランキング1位)などを手掛け、2015年に幻冬舎に入社。

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