デジタル時代の「ニュース」の隆盛から、ブランドが学ぶべきこと

ニュースを制するものは「メディア」を制する

画像提供:shutterstock

最近、デジタル業界でニュースのキュレーションメディアが隆盛です。

テレビやラジオ、新聞などにとって、ニュースや報道が「メディアとしての顔」であるように、メディアにとってニュースコンテンツは多くのオーディエンスを獲得するために、切り離せない存在だと言えます。

有益な情報をオーディエンスに伝達する、この「ニュースという形式」は、ブランドにとっても価値があるように思います。ニュースをいかにオーディエンスに伝えていくのかということがメディアの発展につながったように、ブランドが消費者に有益な情報をどう伝達していくのかということは、ブランド側が開拓すべき「ニュースの可能性」になっていくと思います。

ソーシャルメディアの発達によって、個人が情報を発信することが容易になった一方で、必ずしもその情報が正しいかどうかは保証しえないところがあります。ただし、そのことで伝統的なメディア発信も含めた「ニュースの価値」が下がることはありません。むしろ、消費者側からの記事への反応がわかるようになったおかげで、ニュースの価値を決める主導権が消費者側に移っていることは疑いがないところです。

これまでの伝統的なニュースは価値の序列が明確で、その順序が情報の重要度を示していました。たとえば、新聞であれば一面、テレビであれば番組冒頭のトップなどで、そのときどきの重要なニュースが取り上げられます。一方で、デジタルメディアではLIKEやシェアなどのアクションが加わることで、メディア側の決めた序列ではないアルゴリズムによって、消費者がニュースを受容するようになりました。

このことで、以前のコラムで取り上げましたが、従来のメディアのモデルとは異なるBuzzFeedのような拡散型メディアが生まれました。アップルやフェイスブック、ツイッターなどが、ニュースを積極的に自らのビジネスに取り入れるようになっているのは、単純にメディアをパートナーとしたコンテンツや事業の拡充を考えているだけでなく、マスメディアがそうであったように「ニュースを制するものはメディアを制す」という状況を理解しているからです。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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