日本オリンピック委員会(JOC)は7月3日、8月5日に開幕する第31回オリンピック競技大会(リオ五輪) 日本代表選手団の結団式・壮行会を、国立代々木競技場 第一・第二体育館で開催した。
壮行会には、代表選手団主将を務めるレスリング・吉田沙保里選手をはじめ、体操男子・内村航平選手、バレーボール女子・木村沙織選手、陸上男子短距離のケンブリッジ飛鳥選手など、現時点で決定している各競技の代表選手が出席。
これに加え、抽選などで選ばれたファンや子どもたち約1万人が来場し、ロンドン五輪の壮行会の約6000人から大幅に増え、過去最大規模での開催となった。
「とどけ!勇気 2016リオオリンピック日本代表選手団応援イベント」と題された今回の壮行会は、クリエイティブディレクターとして渡辺潤平氏(渡辺潤平社)が企画の段階から参画した。壮行会の企画演出を手がけるクリエイターは毎回コンペ形式で決定するが、全体コンセプトの策定や、「何をするか」「誰を出演させるか」といった企画骨子を考える段階からクリエイターが関わるのは、過去に例がないという。
今回の壮行会を、「子どもたちが主役になって、勇気を振り絞って選手たちに声援を送る」場にしたかったという渡辺氏。
「これまでの壮行会は、どこか『やらなくてはいけないからやる』という雰囲気があったと聞きました。最後の合宿や開催地に出発する直前の大事な時期に、長時間にわたって拘束されることから、参加にあまり前向きでない選手もいたそう。今回は、その空気を一変させたいと思いました。考えたのは、『誰に』応援されたら、選手たちのハートに火がつくか?ということ。やっぱり子どもですよね。アスリートは子どもたちにとって憧れの存在。選手たち自身も、子ども時代にアスリートに憧れ、大舞台に立つことを夢見たはずです。子どもたちが積極的に参加する壮行会を実現することで、選手たちのハートに火がつき、文字通り『壮行』されるような会にしたいと考えました」。
そうして掲げられたスローガンは「とどけ!勇気」。
安倍晋三首相の挨拶(VTR)や、国歌独唱・国旗掲揚、JOC竹田恆和会長による主催者挨拶、日本選手団・橋本聖子団長の決意表明、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会・森喜朗会長の来賓挨拶などは恒例だが、今回のために特別に企画されたコンテンツが多数盛り込まれた。

壮行会に先立ち、当日参加する小・中学校の児童・生徒を対象に「応援団長」の松岡修造さんが実施した「勇気の授業」(電通スポーツ局との協業)、武蔵野市立境南(きゅうなん)小学校の児童150人がリードし来場者全員で選手団にエールを送る「とどけ!勇気のクラップエール」、78校・12団体、総勢4262人の子どもたちの手形でつくられた応援フラッグ、ゆずによる『栄光の架橋』『夏色』の歌唱…。渡辺氏は、会全体の骨子およびスローガン策定から、「勇気の授業」の企画・運営、ビッグフラッグの企画制作、関連ムービーの企画制作、パフォーマンスアーティスト(ゆず)の選定まで、トータルで手がけた。
渡辺氏に今回の壮行会のこだわりを聞くと、「やっぱり、子どもたちが主役ということに尽きると思います。子どもたちの頑張りが、会を成功へと導いてくれました。応援団長の松岡修造さん、応援サポーターの小島瑠璃子さんも主旨をしっかり理解し、万全のサポートをしてくださったと感じています。会の最後のインタビューで、バレーボール女子の木村沙織選手が声を詰まらせていたのを見て、スタッフ一同、胸が熱くなりました」と話した。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+渡辺潤平社+電通テック+ROBOT+blue color
-
【クリエイティブスタッフ】
- CD+C
- 渡辺潤平
- AD
- 八木秀人
- CPR
- 畦崎ちほ、富山成貴
-
【運営スタッフ】
- PR
- 富山成貴、樋口友康
- 企画
- 富山成貴、三澤加奈
- イベントプロデューサー
- 木村航大
- 運営管理
- 山口帝名
- イベント制作管理
- 電通テック
- イベント運営
- TOW、ジエブ
- イベント演出
- T2 Creative
- PR(広報)
- 電通PR
-
【映像スタッフ】
- PR
- 天野貴功、横山治己
- PM
- 大瀬楓
- 演出
- 徳平弘一
- 撮影
- 伊藤仁
- ミキサー
- 小牧修二
-
【グラフィックスタッフ】
- D
- 岸佳之、篠村雄一郎、齋藤佳奈絵
「日本オリンピック委員会」に関連する記事はこちら
渡辺潤平さんの連載コラムはこちら