ハーゲンダッツのフタを開け、フィルムを剥がすと、アイスクリームの表面に現れるクレーター。アイスクリームがつくられる過程で偶然できるものだというが、これがハート型に見えたことはないだろうか?
ハーゲンダッツ ジャパンは7月、このハート型のクレーターを「ハーゲンハート」と名付け、PRキャンペーンを実施した。
まず、ミニカップ1002個(バニラ、グリーンティー、チョコレートブラウニー、ストロベリー、クッキー&クリーム、マカデミアナッツ)を対象に、ハーゲンハートの形状を分類し、形状別の出現率を調査。そして、その結果をまとめた特設サイト「Häagen Heart Hunting(ハーゲンハート ハンティング)幸せのハーゲンハート探し」をローンチした。
サイトローンチから3日間で、Twitter上の関連ツイート数が約13万RT(リツイート)と27万いいねを記録。Instagramの「#ハーゲンハート」ハッシュタグ数も7月下旬時点で2000件を突破した。さらに、Yahoo! ニュース、LINE NEWSなどのメディアにも取り上げられ、話題が広がった。
アイス表面のハートのクレーターは、ファンの間では実は以前から発見されていた。その現象にあえてスポットを当てて「ハーゲンハート」と名付けること、また出現率・種類の分類・診断など、楽しめるコンテンツをブランド側から提供することによって、ファン発の現象を、ファンと一緒に楽しめる話題性のあるPRコンテンツへと仕立てた。
普段あまりブランドと接していない消費者には、ハーゲンダッツを体験するきっかけにしてもらうこと、コアユーザーには、よりブランドを好きになってもらうことを狙った。
「ファンの方々とどのように接していくのかは、ほとんどのブランドの課題ではないでしょうか。企業発信ではなく、ユーザー発信の現象をキャンペーン化することで、より受け入れられやすいコミュニケーションにしたかったというのが、本キャンペーンを実施した理由です。すでにファンの間では知られていた現象を、さらに多くの方々に知ってもらうためには、『ハーゲンハート』というキーワードを立てること、楽しんでもらえる仕掛け(種類の分類や、診断)をつくることが重要だと感じていました。SNSでのハッシュタグ利用はすでに一般化していますので、キーワードが広がるよう、覚えやすいワード設定を意識しました。ユーザー発信の現象に新たな意味を付与することで、押し付けるのではなく、多くの人が楽しめるコンテンツができたのではないかと思います」と担当者は話す。
ハーゲンダッツに触れる時間を、より多くの消費者に“幸せな時間”として体験してもらいたい。その考えの下、今後もブランドのタグライン「幸せだけで、できている」を体現したコミュニケーション活動を行っていくとしている。
スタッフリスト
- 企画制作
- TBWA\HAKUHODO
- Buzz Machine+企画
- 栗林和明
- AD
- 新保良子
- C
- 中村彩子
- Senior Strategic Planner
- 川勝敬太
- Strategic Planner
- 飯野泰毅
- Senior Account Director
- 松尾淳史、上田菜津子
- AE
- 松岡博史、朝貝亜寿沙