カルビーには「お客様の声」に耳を傾ける企業精神が根付いている

開校10周年記念「リアルじゃがり校 登校日」

※2017年2月、都内で「リアルじゃがり校 登校日」が開催された。

藤崎:今までオンラインの活動だけで成功していた「じゃがり校」ですが、今年は満を持して、リアルイベントを開催しましたね。

松井:はい。10周年を記念した初めての試みとして、今年2月に「リアルじゃがり校 登校日」イベントを実施しました。都内学校の教室をお借りして、「じゃがり校」の生徒から抽選に当選した50名の方に来ていただきました。日曜日の午後の開催でしたが、一番遠い方は沖縄県からご参加いただきました。

藤崎:すごいですね。みなさん交通費は自費ですか。

松井:はい。交通費は自費でした。

藤崎:素晴らしいです。ファンと企業の関係はそうあるべきですね。ファンマーケティングに関わったことのない方は、こうした関係性をなかなかご理解いただけないです。交通費をお支払いしてしまうと、どうしてもアルバイトのようになってしまう場合があります。あくまで熱意による参加で、無償であるべきです。そこに交通費や謝礼はふさわしくないですよね。私たちがファンイベントを運営する場合も、実は交通費は一切お支払いしていません。

松井:その通りだと思います。ですので、交通費をお支払いしない分、参加いただく方に「来て良かった!」と思っていただけるように中身を充実させよう、と教職員で知恵を出し合って頑張りました。当日までプレッシャーはありましたが、アンケートでもほとんどの方から「大満足」という評価をいただくことができました。集まっていただいた生徒のみなさんの熱意も本当にすごくて、実際にお会いする“リアルの力”はすごいなと感じました。

藤崎:最近、マーケティングにおいても「顧客体験」がキーワードになっています。つまりインターネットが発展すればするほど、リアルの価値が高まってきていると考えられます。

もともと手紙というアナログ的な方法でファンと交流してきたカルビーさんが、デジタルを活用して交流の輪を広げたのが「じゃがり校」のファンサイトです。それがまた一回りして、アナログ的なリアルイベントを行ったのがとても興味深いです。

松井:リアルイベントは、私たちも初めてのことばかりでたいへんでしたが、“リアルの力”を実感できました。また機会をつくっていきたいと思っています。

次ページ 「これからのファン作りのためのサイト最適化」へ続く

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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