電通グループ、メディア・コンテンツで雄飛へ 担当プレジデントが語る「最終接点」担う矜持

写真 人物 中村氏

――具体的な注力テーマは。

中村:大きく分けて、「マーケティングROIへの貢献」「コンテンツビジネスの進化」「サステナビリティ領域」の3つとなります。

――「マーケティングROIへの貢献」は、dentsu Japanとして打ち出した「Marketing For Growth」においても重要なものとなりそうです。

中村:はい。「Marketing For Growth」のなかでも、生活者が享受する体験のあらゆるプロセスを可視化すること、メディアやコンテンツが、マーケティングファネルにおいてどのような貢献をしているかを明瞭にすること。クライアントの事業拡大を推進する各種KPIに対する貢献についての説明責任を、これまで以上に果たしていきたいと考えています。まだまだ取り組みの余地が大きく残された部分です。

一方で、ROIそのものを高める上では、クライアント企業に提供する広告商品そのものの利便性を高めることも欠かせません。いくつか具体例も出てきていますが、これを個社ではなく、業界全体の底上げとして活用できるようにしたいと考えています。データと、利便性の掛け合わせ、そして広告商品の進化。これらなくして、クライアント企業、メディア企業、そして生活者の、各ステークホルダーへ貢献するのは、むしろ難しいはずです。

――「コンテンツビジネスの進化」についてはどのようなお考えですか。

中村:重要な側面としては、dentsu Japanの提供価値、存在価値の進化が求められているということです。スポーツ・エンターテインメントを例に挙げれば、旧来は“協賛”を募るビジネスのイメージが強かったかもしれませんが、いますでに出てきている事例は、全く異なります。むしろ“共創”と呼ぶべきものです。単なるスポンサードではなく、コンテンツというプラットフォームを活用して、クライアント企業の課題や社会課題を解決するためのコンテンツ創造及び付加価値の創出を具現化していきます。

dentsu Japan自体もコンテンツに投資をしていますが、こちらも、お金を出すだけではなく、我々自身が付加価値を付けていくことが求められます。メディアへ、クライアント企業へ、そして生活者へ、よりよいコンテンツを送り出すことがdentsu Japanの存在意義です。広告賞などで評価されるなど、実績を生み出せてきています。

「マーケティングROIへの貢献」が、クライアント企業への説明責任を果たす部分での貢献とすれば、具体的な事業拡大や解決策の提供が、“dentsu Japanの”コンテンツビジネスの進化として、求められることです。


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