電通グループ、メディア・コンテンツで雄飛へ 担当プレジデントが語る「最終接点」担う矜持

――「サステナビリティ」への要求もますます高まっています。

中村:業界課題としては、やはりデジタル広告の信頼性。これは広告全体の信頼性に非常にかかわりが深い。不適切なコンテンツや広告と隣接しないというのはもちろんのこと、インプレッションの透明性、アカウンタビリティを高めなくてはなりません。広告界の継続性、今後の発展を左右する問題です。

より大きな視点では、温室効果ガスのスコープ3排出量。事業運営に関連して、間接的に温室効果ガスを生じさせる対象として、クライアント企業にとっては、広告会社や広告出稿先のメディア、イベントも関係してきます。クライアント企業に混乱を招いたり、非効率な作業を生み出したりしないよう、ひとつの基準をもって進めることが重要です。速やかに解決を図るべき課題と考えています。

――dentsu Japanにおいてのメディア・コンテンツビジネスはどのような位置づけになっていきますか。

中村:佐野(傑、dentsu Japan CEO 電通 代表取締役 社長執行役員)も発信していますが、dentsu Japanは、世の中に活力をもたらす会社でなければなりません。メディア・コンテンツ部門は、生活者との最終接点を担う領域だからこそ、まさにグループで掲げるビジョンの重要な一端を担えると考えています。

実は、いままでなかったような事例が多く出てきていて、本当はもっと細かくお話しできることがあります。メディア企業の持つ資産と地域のデータを掛け合わせて、ウェルビーイングへの貢献を果たすなど、いままさにプロジェクトが多数動いています。データ活用によるメディアビジネスの進化、メディア企業のBX(ビジネストランスフォーメーション)へのさらなる貢献を目指して、1月に㈱電通内にメディア・コンテンツ・トランスフォーメーション室もローンチしました。

日本のコンテンツが国外で受け入れられている状況下、唯一の日系グローバルネットワークとして、国内のIPホルダーに貢献できることがたくさんあると思います。映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の成功、先日発表したNFTプロジェクトAzukiのアニメ化等、今も多数のプロジェクトが動いています。


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