緊急座談会開催、土地のストーリーが人を呼ぶ「3.11後の観光PR」

東日本大震災の影響で、日本の観光業は大打撃を受けている。被災地域の広さ、放射能の”見えない恐怖”がブレーキになっている現状をどう打開できるのか。

雑誌『広報会議』では5月12日、オズマガジン編集長の古川誠氏、高知県地産外商公社の野戸昌希氏、近畿日本ツーリスト広報課長の立花泰明氏、電通ソーシャル・デザイン・エンジン コピーライターの並河進氏の4人を招いて、「震災復興後の観光PRをどう盛り上げるか?」をテーマに座談会を開催した。

ゴールデンウィーク直前、「復興には経済の活性化も必要だ」という世論の高まりから、国内旅行は駆け込み需要が高まった。しかし今後、夏に向けて旅する気持ちが落ち着いてしまうことも予想される。

この“OFFモード”をどのように脱し、旅の需要を高めていけるか。これは観光・旅行関連企業や自治体にとって現在、大きなテーマになっている。その背景にあるのは、生活者の旅に対する意識の変化だ。近年、若い女性を中心に特に「観光地を巡り、名産品を食べて、泊まる」というパッケージ化されたものではなく、たとえば「もう一つの日常を観に行く」という視点で旅する人が増えていると、古川編集長。その人たちの目的は、地域で開催される特別なイベントでなく、ある地域の小さなパン屋や雑貨店などに行くこと。魅力的な店のストーリーや店主の人柄や思いに触れ、「その人に会いたい」と思うことが、旅の動機になっているのだ。

「観光地を訪ねる」のではなく、「その土地に住む人に会いに行く」――これからの旅の一つのキーワードだ。観光ガイドには載っていない、潜在的な魅力を見いだせていない自治体もまだ多い。自分たちの土地に眠っている“魅力”にいかに気づき、それをいかに発信していけるか、各観光関連団体や自治体がその力をつけていくことも求められている。

本、座談会は6月1日発売の広報会議 2011年 7月号に掲載(全8ページ)の予定。


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