「販促会議」編集長 浦野有代
企業の営みにおける販売促進の重要性は、ますます高まっている。そうした中で2015年の販促チャンスとしてまず注目したいのは、市場拡大が目覚ましい「訪日観光客による買い物消費」だ。
13年に訪日外国人観光客数は1000万人を突破し、14年10月には消費税免税制度が改正され、免税対象商品は拡大。2020年は東京オリンピックを控え、消費の現場に好機が訪れている。日本では当たり前のサービスが、海外客から高く評価され、新たな売り上げ拡大につながるチャンスもある。
様々な地域から訪れる海外客の受け入れに対応するだけでなく、自社の強みはどの国の旅行者に受け入れられそうかを見極め、積極的に訪日客向けのプロモーションを行えば、自社の市場を世界へ広げるきっかけになる。
また14年は「妖怪ウォッチ」「アナと雪の女王」の2大キャラクターコンテンツが一気に広まり、企業のプロモーションでの活用が相次いだ。
人気キャラクターをキャンペーンに起用すると、ファンによる自発的な話題の拡散や、新たな客層の取り込みが期待できる。企業がキャラクターのパワーを活用する動きは、15年も継続するだろう。
「販促会議」の通巻200号では、アニメ「進撃の巨人」を起用したプロモーションの事例から、有効なキャラクター活用法を探る特集を組んだ。効果を上げたキャンペーンは、キャラクターの特徴や世界観を自社の商品に落とし込み、他社と差異化したタイアップのあり方を念入りに検討し、ファンの行動を喚起していた。
国内外の企業が取り組みを強化する今後の販促チャンスとしてもう一つ挙げたいのは、デジタル技術を駆使した「より便利でストレスのない楽しい買い物体験」の提供だ。
例えば、アパレルショップ店員のコーディネートをアプリで見て、気に入った商品をその場で購入、試着したいものは実店舗で取り置きしておく。来店して商品を手に取ると、おすすめのコーディネートや色違いの在庫情報がスマートフォンに表示される……。
ピンポイントで的確な情報発信や、商品の注文・受け取りの利便性向上は、購入の大きなフックとなるだろう。