伊勢丹新宿店周辺を再現した仮想空間で、広告掲出の実証実験が行われる。
博報堂は11月15日、三越伊勢丹が提供する仮想空間「REV WORLDS」と共同で、仮想空間向けの広告の検証を始めると発表した。12月から実証実験として掲出を始める。三越伊勢丹は「REV WORLDS」への他社コンテンツの誘致を進めており、プラットフォームとして拡大したい考え。
「REV WORLDS」はことし3月、スマートフォンアプリとして提供を始めたサービスで、仮想空間として伊勢丹新宿本店と商業ビル「新宿アルタ」周辺を一部再現した。ユーザーは自分の身代わりとしてのキャラクターを操作して展示などを楽しめるほか、仮想の新宿伊勢丹にある商品を購入することも可能。
7月にはディズニーの各作品に登場する「ディズニープリンセス」のぬいぐるみやスマホケース、オルゴールなどの雑貨を販売する売り場をオープンした。また、10月末には日比谷花壇によるフラワーショップも開設した。いずれも新宿本店での実施はなく、仮想空間のみでの施策。
実証実験は博報堂DYメディアパートナーズやデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムらと共同で行う。実証実験では、現実と同様の定型広告(サイネージ)の設計と受容性検証のほか、非定型の広告やブランド体験、空間内でのイベントや常設スペース・ショップ、パビリオンなどの企画設計、運営をする予定。
さまざまな領域のサービスやコンテンツを提供し、もうひとつの生活空間のように利用できる仮想空間「メタバース」のプロモーション利用は再び熱を帯び始めている。電通も9月末、NTTと共同でゲームの見本市「東京ゲームショウ」の仮想現実会場での広告掲出の実験を行った。
2007年には、日産自動車が、米リンデン・ラボのプラットフォーム「セカンドライフ」上で新型車の疑似体験ができるプロモーションを実施した例がある。