理想論ではない、「人」への投資を売上につなげる設計図―「ピープル・ファースト戦略 ー企業・商品・従業員『三位一体ブランディング』」刊行

日本経済全体が右肩上がりの成長を続けていた時代と違い、社会全体に停滞感が漂う今、組織の中における「人」のモチベーション低下が多くの日本企業にとっての課題になっています。企業にとって重要な資産である、「人」への投資の必然性は、これまでも語られていましたが、ときに“理想論”と捉えられることも少なくありません。

企業の業績は当然のことながら、商品・サービスの売上が高まれば回復します。そして、その売上を高めるための施策を担うのがマーケティングです。2023年4月4日に宣伝会議より刊行の「ピープル・ファースト戦略 ー企業・商品・従業員『三位一体ブランディング』」(矢野健一著)では、経営、そしてマーケティングの双方を経験した著者が、企業や商品だけでなく、従業員に投資をし、従業員もブランディングすることで、商品の競争力を高め、企業全体の業績向上に貢献する実践論を解説。理想論ではない、ピープル・ファーストの姿勢を企業の業績につなげる 「三位一体ブランディング戦略」の設計から実践まで詳述していきます。
 

People First Branding ピープル・ファースト戦略

著者:矢野健一
2023年4月4日発売  出版:宣伝会議  定価:2000円 (本体価格+税10%)

【目次】

はじめに
・なぜ日本企業で働く人に元気がないのか? 
・日本人のインサイトを読み間違えたグローバル化 
・実は人を活かすのが得意な外資系企業 
・経営者、マーケターとの対話の中で見えてくる、最近の企業課題 
・「ピープル・ファースト」経営とは何か? 
・全従業員が持つべきマーケティングスキル 
・すべての経営課題は人の課題である 
・人の力でビジネスを伸ばす「三位一体ブランディング」 
・すべての人に行動変容を起こす! 
 
第1章 モノづくりが面白くなくなってしまった日本 
・「失われた30年」で日本が失ってしまったもの 
・業績か従業員か? リーダーが抱えるジレンマ 
・事業にも商品と同様に「ライフサイクル」がある 
・外部から優秀な人材を真似ていてもイノベーションは起こせない 
・技術基点から価値基点のイノベーションの時代 
・業績回復はスピードとの闘い 
・「働きがい」を感じられない日本人 
・「業績に直結」のみが正義ではない!? 
・人の心から数字に移ってしまった意識 
・成功事例への固執が考える力を失わせた 
・コスト削減テクニックの功罪 
・人への再投資なくして回復なし 
 
第2章 第2章 小手先の戦略だけで走り続けてきた日本企業の現場 
・「今は…」が頻出する時は危険信号 
・顧客不在で迷走するマーケターたち 
・「値下げ」「販促」で終わるブランド会議 
・人を資本として見る視点から事業再生を考える 
・商談の時間は変わらずに売上を2倍にする 
・SNS時代には、従業員自身が強力な武器になる 
 
第3章 つくり手の顔が見えるブランド戦略 「三位一体ブランディング」 
・ブランディングとは何か? 
・なぜ、いまブランディングなのか? 
・間違ったブランディングへの期待 
・従業員の意識改革は単独で行っても難しい 
・組織をブランディングして付加価値をつくる 
・パーパスとバリューから顧客への付加価値を探る 
・従業員が「第一インフルエンサー」になる時代 
・つくり手の想いが見えるブランド体験は共感を生む 
・「トヨタイムズ」キャンペーンが目指すもの 
・従業員のブランディングはパフォーマンスにつながる 
・事業拡大の選択肢を増やす「三位一体ブランディング」 
・ジャパンブランドがつくりだす三位一体ブランディング事例 
 
第4章 「三位一体ブランディング」
STEP1「企業」のブランディング 
・「パーパス・ブランディング」の可能性 
・社会そして市場から選ばれる企業のブランディング 
・「誰」を喜ばせたいかは、明確か? 
・「誰」が発信しているかは、明確か? 
・ブルーボトルコーヒーに見るパーパスが組織に浸透する強さ 
・リーダー自ら組織の文化を実践する 
・企業のブランディングのポイント 
・パーパスはブランドストーリーと一緒に語るべし 
 
第5章 「三位一体ブランディング」
STEP2「従業員」のブランディング 
・変革期企業のパーパスはなぜ浸透しないのか? 
・売上に意識をフォーカスするほど社内がバラバラになる 
・従業員ブランディングとは? 
・パーパスを実現する価値観(バリュー)を人格化する 
・従業員は第一のインフルエンサーである 
・できるだけ「素」を見せる従業員のインフルエンサー活用 
・価値観を体現した行動を従業員評価に組み込む 
・あらゆるシーンで見られるブランディングされた人の強さ 
 
第6章 第6章 「三位一体ブランディング」
STEP3「商品」のブランディングと一体化させる 
・商品に差別化は必要ない!? 
・顧客起点の差別化探しの限界 
・三位一体ブランディング4つの型 
 
第7章 実践!「三位一体ブランディング」の設計手順
・三位一体ブランディングのマーケーティング・ミックス・モデル 
・三位一体ブランディングの設計手順 
・企業の価値の定義(パーパス) 
・従業員の価値の定義(バリュー) 
・商品設計・ブランドポジショニングの定義 
・コモンバリューの設定 
・三位一体ブランディングの型はいつ決める? 
・コンセプトを作成する 
・三位一体ブランディングのブランド体験 
・ブランディングの型を体験にトランスフォームする 
・三位一体ブランディングにおけるカスタマージャーニーマップ 
・カスタマージャーニーのファネルは「型」によって異なる 
・三位一体ブランディングのMMMパス設計 
・「増幅」の型のマーケーティングプラン 
・「リバースエンジニアリング」の型のMMMパス設計 
・商品は競合よりも優れている必要はないが、劣ってはいけない 
・三位一体ブランディングの効果測定とKPI 
 
第8章 人を活かす経営 5つの提言 
・【提言1】自走する組織をつくりたければ
必ずパーパス、ビジョン、バリューをリンクさせよ 
・【提言2】社員の生産性を上げたければ
自己実現の欲求をブランディングせよ 
・【提言3】よい人材を採用したければ、
スキルフィットよりもカルチャーフィットを優先せよ 
・【提言4】ダイバーシティは
カルチャーフィットで解決せよ 
・【提言5】従業員のやる気を引き出したければ、
バリューを体現した行動評価を実施せよ 
・人的資本の未来とは? 
 
 

【著者紹介】

矢野 健一
D&Fクリエイツ 代表取締役社長

新入社員としてアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。主にメーカー、サービス業の業務改革や経営効率化のプロジェクトを推進。その後、45歳までに社長になると決意。そのためにはマーケティングの力が必須であると確信してP&Gに転職。
当時、最短記録でブランドマネジャーに昇進すると、「ファブリーズ」、「プリングルズ」、「パンパース」のブランドマネジメントを担当。その後リーバイ ストラウス ジャパンのマーケティング責任者を経て、42歳でモルソン・クアーズ・ジャパンの代表取締役社長に就任。予定より3年早く夢を果たす。ZIMAとコロナビールを柱に2年連続で歴代売上記録を更新し、大きく業績を伸ばす。
その後はブルーボトルコーヒージャパンの代表、アサヒコの代表取締役社長として、社員中心の経営、3rdウェーブコーヒーのブランド育成や海外進出、プラントフォワード事業などの新規事業を推進。
現在は経営・マーケティングのコンサルタントとして独立。会社のパーパスやバリューを商品と一緒にブランディングして競争力に変える三位一体ブランディング手法を開発して、社員が誇りとやりがいをもって働く環境づくりを目指して活動している。

 
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