多様なステークホルダーが訪れるコーポレートサイト。昨今は、企業の存在意義や社会課題に対する姿勢など、事業にまつわる想いや将来性が、一貫性を持って伝わってくるコーポレートサイトが求められている。加えて、ユーザーにとって欲しい情報がすぐに見つかるような設計や、運用体制を整えていく必要もある。サイトを刷新するにあたり、どのような準備が課題となっているのか。広報部門担当者にアンケートを実施した。
リニューアルすることになった理由
回答で目立ったのは、新たにパーパスやミッションなどを策定し、目指す企業のイメージと、現状のコーポレートサイトの間にズレが発生している、という理由だ。企業ブランディングとも密接にかかわるコーポレートサイトをより戦略的に活用しているのが分かる。一方、「ユーザーにとってサイトが使いにくいものになっている」など、サイト自体の課題が浮き彫りになっているケースも少なくない。リニューアルのプロジェクトが始まると、多様な部門から要望が出てくるため、コーポレートサイトの目的をどこに置くのか、しっかり固めてから動き出したい。
▸新しくバリューをリニューアルするタイミングであり、周年のタイミングも重なったため
▸社会的価値(ミッション)、ビジョンに紐づいた、サービスの目的と実績を伝え信用を向上してもらうサイトにアップデートしていくため
▸前回のリニューアルから時間が経ち、現在の事業内容、認識されたい企業ブランドイメージとそぐわなくなってきていたため
▸元々のHPの作りが古く新たなシステム、見え方にしたかったため。調査を行ったところ、HPの離脱が早々に発生しており、リニューアルが必要だと感じたため
▸スマホ対応を中心に見やすくするため
▸サイト訪問者にとって、必要な情報がどこにあるかがわからない、情報が不足しているため
リニューアルでの課題は?
どのようなコーポレートサイトにしていきたいかを議論することは、サイトユーザーに、どのような企業イメージや将来性を感じてほしいのか、を考えることにつながる。サイトのフルリニューアルと同時に、企業のありたい姿を組み立て直していく場合は、全社を巻き込む長期のプロジェクトになる。実際に動かしてみると、社内のコンセンサスをどうとるか、外部パートナー選び、掲載内容の精査、プロジェクトの進行管理に至るまで、準備や段取りで「課題」となるポイントは多い。
▸サービスサイトとの差別化、リブランディングも同時進行で実施したためリブランディングを進めながらのサイトリニューアルが課題となった
▸制作会社に意図が伝わらずに何度もやりとりをすることになり、工数がかかった
▸スケジュール。色々な部署が絡むとどんどん遅延していき、公開までに諦めた改修ポイントなどがあった
▸自社に最適な外部パートナーを探し出すこと。様々なツールやソフトはあるが、外部での開発が伴う部分がどうしてもあるので、コスト面を含めパートナーを探すことに苦労した。
▸事業のカテゴリが多岐にわたり、顧客となるターゲットも違うため、サービスページ内で表現する内容にばらつきが生まれた
広報会議12月号では、こうした声を受け、「コーポレートサイトフルリニューアルを実現」特集。予定通り進まない「壁」をどう突破していくかのヒントを掲載している。