1990年の初出店から33年、コロナ禍における出店戦略の成功もあり、カラオケ業界において店舗数と売上高の大幅な伸長を続ける「カラオケまねきねこ」。今や、全国で出店していないのはわずかに数県だけ。店舗によって料金が異なるという、カラオケ業界の価格設定とは?同カラオケチェーンを運営するコシダカホールディングス 執行役員・経営企画室長の田中恵氏に話を聞いた。
※本記事は、月刊『宣伝会議』4月号 の巻頭特集に掲載されています。
コシダカホールディングス
執行役員
経営企画室長
田中 恵氏
2005年、コシダカ入社。現在、コシダカホールディングス執行役員・経営企画室長、子会社であるコシダカ取締役・経営企画室長を務める。
ラーメン店からカラオケ店へ 居抜き出店で大幅成長
「カラオケまねきねこ」を運営するコシダカホールディングスがその前身となるカラオケ店「オイコット」を出店したのは、1990年8月のこと。その3年後にブランド名を現在の「まねきねこ」に変更した。現在の名前となってからは、郊外のロードサイド店舗の居抜きを主体に出店を進めてきた。
いまでは、都市部にも建築出店を進め、総店舗数は640店にもおよぶ。同社がカラオケチェーンのブランド展開を始めた経緯について、コシダカホールディングス 経営企画室長の田中恵氏は、次のように説明する。
「『カラオケまねきねこ』の発祥は、実は現社長のお父さんが経営していた『上州ラーメン』というラーメン屋です。現社長が大学卒業と同時に家業を継いだものの、人気があり客は入るが実入りが少なかったため、別の商売を模索している時に出会ったのが黎明期のカラオケだったと言います」(田中氏)。
ターゲットごとの訴求で全世代を取り込む価格設定
激安・リーズナブルな価格設定を売りに、業界トップクラスにまで成長した「カラオケまねきねこ」だが、各種サービスの価格設定について田中氏は次のように説明する。
「サービスの価格設定は、ターゲットごと、属性ごとに決めています。例えば、ひと口に“学生”といっても、高校1年生なら条例により18時までしか利用できませんし、2年生以降も22時までしか利用できません。大学生なら、学校に行きながらアルバイトをし、ひとり暮らしをしている人もいるでしょう。そうなると、高校生は細かく時間帯を意識する必要がありますし、大学生の場合は、夜から深夜にかけてのフリータイムが一番利用しやすいだろう、といった具合になります」(田中氏)。
…続きは、月刊『宣伝会議』4月号 でお読みいただけます。
宣伝会議2024年4月号
- 【巻頭特集】
- 消費者心理を捉える、「値付け」の科学
- 価格戦略とマーケティング
- ・KINUJO
- ・物語コーポレーション「焼肉きんぐ」
- ・コシダカホールディングス「カラオケまねきねこ」
- ・tune「ソロサウナtune」
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